小児病棟で掃除道具が楽器に変身♪「はたきドラム」に「ほうきギター」 入院中の閉塞感、とんでいけ~!

杉戸祐子 (2019年11月20日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

写真はたきやちりとり、ほうきにセンサーを取り付けて作った楽器=いずれも横浜市金沢区で

 掃除道具に赤外線センサーなどを組み込んで音が出るようにした“楽器”を、小児病棟に入院する子どもに演奏してもらう取り組みが、横浜市金沢区の横浜市立大学付属病院であった。長く続くこともある病院生活の不安や閉塞(へいそく)感を和らげてもらうのが狙い。演奏に訪れたアーティストは「周りの人の音を聴いて息を合わせることで、言葉を超えたコミュニケーションを図る機会にしてほしい」と願いを語る。

アートユニットが横浜市立大病院を訪問

 手をかざすとエレキギターの音が鳴るほうき、振るとビートを刻むはたき、キーボードに仕立てたちりとり-。掃除道具に工夫を凝らした楽器を使って活動するアートユニット「TETSUJIN-AUDIO VISUAL(テツジン・オーディオ・ビジュアル)」の高橋哲人さん(41)とモシ村マイコさん(35)が病棟を訪れ、幼い患者や保護者らと楽器で音を出し、即興で合奏した。

 楽器に触れた子どもたちは高橋さんらとリズムを合わせ「楽しいね」と笑顔を見せた。気の乗らない様子だった子が合奏するうちに「ハハハ」と声を上げ、夢中で「はたきドラム」を振る一幕もあった。入院中の次男(5つ)と参加した大和市の主婦加藤真梨亜さん(33)は「誰かと一緒に演奏する機会は貴重。入院で落ち込んでいたが、気分転換ができた」と話した。

写真

掃除道具で作った楽器を患者の男児と一緒に演奏する(右から)高橋さんとモシ村さん

「一緒に演奏してコミュニケーションとって活力を」

 掃除道具を楽器にするアイデアを生み出したのは高橋さん。人生に悩んでいた2年前、中学生時代にロックスターにあこがれてほうきをギターに見立てて演奏のまねをしていたことを思いだし、「また夢を追い掛けよう」と決意。接触や接近、傾きなどを感知するセンサーを使い「ほうきギター」などを開発した。演奏者の動きに合わせ、室内のスクリーンに色とりどりの映像も映し出される力作だった。

 今回のプログラムは、市立大が、市内を拠点にアーティストの発掘や支援を行う「アートマネジメントオフィス アホイ!」と連携して実現した。アホイ!の塚田信郎代表(58)は「受け身でなく、一緒に演奏してコミュニケーションをとることを通じて、活力を得てもらえたら」と話す。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年11月20日

あなたへのおすすめ

PageTopへ