里親委託は民間団体に任せては? 児相は忙しすぎる 関連団体が厚労省に提案へ

(2021年2月2日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
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フォーラムで参加者と議論する藤井康弘さん(左)ら=東京都新宿区の早稲田大学で

 虐待などで実の親と暮らせない子が家庭的な環境で生活できるよう里親委託の推進を目指す「全国家庭養護推進ネットワーク」が、里親家庭を支える役割を児童相談所から民間機関に委託できないか議論している。児相が新たな虐待への対応などで忙しすぎるため、里親委託が進まないと見ているからだ。3月末までに具体的な提案をまとめ、厚生労働省に提出する予定。 

委託先決定やその後の支援は民間に

 里親家庭に関わる関係者が相互交流と実効性ある施策づくりのため毎年開いているイベント「FLECフォーラム」。今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、1月9~11日にオンラインで開かれた。

 イベント2日目、ネットワーク代表幹事の藤井康弘さんは、委託が進まない背景の一つに、児相が忙しすぎて手間のかかる里親委託に及び腰になりがちで、里親家庭の支援にも手が回らない現状があるのではないかと問題提起した。解決策として、里親との相性などを見極めて子の委託先を決めることや、その後の支援は児童養護施設や乳児院などの民間機関に委託し、児相は民間機関の管理監督や、児童虐待への対応や予防に特化する制度改正案を示した。

里親家庭を支える職員にも安定を

 参加者からは賛成の声が多く出る一方で、支援の質を担保するには民間機関の評価をする専門の機関が必要という意見や、里親家庭や子どもを長期にわたって支援するには職員の安定雇用が欠かせないとして民間機関の労働環境の改善や人材育成などの課題が挙げられた。藤井さんは「議論を踏まえて厚労省に具体的な提案として出し、政策に結び付けたい」と語った。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年2月2日

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