フリーアナウンサー徳永有美さん 「わけあり」は何かのチャンス!

三浦耕喜 (2018年2月18日付 東京新聞朝刊)
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「母の協力なしには働けません」と話す徳永有美さん

机を片付けなかった日、母は… 

 父は金沢の放送局に勤めていました。両親と祖父母、弟2人の7人家族。ここが自分を育ててくれた環境でした。
 
 大好きだった祖母を亡くしたのは中学1年の時。乳がんでした。父の転勤で横浜に引っ越す時期と重なり、祖母に会いに金沢に通いました。私の勝ち気な部分を育ててくれた祖母でした。「勝たなきゃつまらないよ」と。そんな祖母が衰えていく。悲しいというより、人がいなくなる怖さを知りました。

 一方、母はしつけに厳しい人。整理整頓、料理の手伝いなど生活の面が大事だと言われました。小学高学年の時、自分の勉強机の上を片付けずに学校に行きました。帰ってくると、きれいになっている。でも、母に聞いても無視される。気付きました。慌ててマンションのボイラー室みたいなところに行くと、教科書が全部捨ててある。母からは、片付けるよう、何度も注意されていたのです。泣きながら教科書を拾いました。

「部活などやめろ」…父の心は?

 高校では神奈川県有数の陸上部に入りました。しかし父は「家族一緒が大事」との考え。朝練や土日の試合も反対。部活などやめろと言うのです。父は一人っ子で寂しい思いをしたみたいです。「きょうだいは大事」「皆で仲良く」などと恥ずかしげもなく言う。でも、家族の仲がいいのも父のおかげです。
 
 父が「家族」なら、母は「本を読みなさい」でした。司馬遼太郎の「竜馬がゆく」と遠藤周作の「わたしが・棄てた・女」が人生を変えたくらいの本でした。苦しい時は本に救ってもらった感じです。

 父がテレビ局勤めだったのでマスコミに興味があり、テレビ朝日に採用されました。英語も何もできませんが、母仕込みの根性でつかみました。母は、私が働くのを喜んでいます。2005年にテレ朝を辞め、12年後に仕事に復帰した時も、母は喜んでくれました。2人の子どもの面倒も見てくれます。母の協力なしに働けません。

「わけあり」をつらいままで終わらせない 

 子どもがいれば熱も出すし風邪もひく。いろんなことが絶対にあり、仕事で大変なこともでてきます。でも、そういう「わけあり」をつらいままで終わらせたくありません。混乱する時ほど、物事を整理して考えてきた気がします。「わけあり」が大きいほど大事なものがはっきりする。だから「わけあり」は絶対にあった方がいい。何かのチャンスと受け止めて、前に進もうと。
 
 苦しかった時、「この状況を味わい尽くそう」と決めたことで、「よっしゃ、来い!」と思えるようになった経験があります。子どもたちにも「わけあり」を味わえる人間に育ってほしいですね。 

とくなが・ゆみ

 1975年、金沢市生まれ。大妻女子大社会情報学部を卒業後、98年にテレビ朝日に入社。報道からバラエティーまで広く活躍した。2005年にテレビ朝日を退社。主婦となったが、17年にインターネット放送局「AbemaTV」のキャスターを務め仕事に復帰。ラジオ番組などのレギュラーを持つ。2児の母親で、夫はタレントの内村光良さん。

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コメント

  • 匿名 より:

    この記事は、「仕事との両立」ではなく、この方の個人的な家庭環境とキャリア形成の話だと思います。
    個人的な経験上から「母の協力なしで働けない」とご自身のお母様に感謝を表していることは、よくわかります。
    ただ、実母の協力を得ずとも、仕事と子育てが両立出来る社会の方が良いのではないでしょうか?
    メディアに出る方ならば、そこまで言及して欲しいです。

  • 匿名 より:

    結婚して子供を産み、仕事に復帰する多くの女性は母親に子供をみてもらっている。子供を誰にも預けられず仕事に復帰出来ない女性が沢山いる中で、出産して自分が輝ける場所を見つけたような表現はやめていただきたいな、、、と思いますね。子供は熱も出すし、風邪もひく、それならもっと子供の傍にいてあげても良いのではないでしょうか。

  • 匿名 より:

    母親がいないと子供を育てながら仕事をするのは難しい。それが現実。
    幼い時に母を亡くした私には助けてくれる人がいない。
    とても悲しくなりました。
    ご自身の恵まれた環境を当たり前と思わないでください。
    お母様がいないと無理などと平然といい放たないで頼らない努力をしてください。
    親の命は永遠ではありません。

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