選択的夫婦別姓、慎重だった自民党にも容認論 超党派勉強会で事実婚夫婦らが法改正訴え

大杉はるか、坂田奈央 (2020年2月15日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 選択的夫婦別姓を考える超党派勉強会が14日、国会内であり、与野党議員約40人が出席した。来月は自民党が単独で勉強会を開催予定。慎重だった同党内に容認論が出始めるなど、法改正の機運が生まれつつある。 
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選択的夫婦別姓について考える超党派有志勉強会の参加者たち

事実婚の親を持つ子が訴え「別姓でも家族は家族だ」

 勉強会では、夫婦同姓を義務付ける現行制度下で事実婚を強いられている夫婦らが不利益や不安を訴え、法改正を求めた。

 事実婚では一般的に手術の同意書などにサインできない。出席者は「老後に向け、延命治療の意思決定をどうするか、介護施設に夫婦で入れるかなど不安がある」「不妊治療の助成が受けられない。法律婚の仲間に入れないのは苦しい」などと語った。事実婚の親を持つ子は「別姓でも家族は家族だ」と話した。

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 法制審議会は1996年に選択的夫婦別姓を盛り込んだ民法改正案を答申したが、自民党の了承が得られず、法案提出が見送られた。当時、法務省民事局参事官だった小池信行弁護士が「氏は人格の一部。婚姻で改めなければならないのは人格権の侵害につながる」と説明した。

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夫婦別姓の事実婚家庭で育った大学生と高校生(左側の2人)から法改正の要望書を受け取る国会議員

野田聖子元総務相「自民党もまともになってきた」

 今も法改正は実現していないものの、女性の社会進出もあり別姓への理解は深まりつつある。2017年の内閣府世論調査では約67%が容認。立憲民主など野党五党一会派は別姓を導入する民法改正案を提出、公明党も導入を求めている。

 安倍晋三首相は「慎重に対応を検討していきたい」との答弁を繰り返すが、勉強会に出席した自民党議員は「一刻も早く制度化したい」と強調。党幹部も取材に、通称と戸籍姓の2つの名前の使い分けは混乱を招くとして「法改正しかない」と主張する。

 岸田文雄政調会長は記者会見で保守層から「家名を残すための夫婦別姓を考えてほしい」との陳情が増えたと明かし、議論の必要性に言及している。勉強会に出席した野田聖子元総務相は、取材に「人権が政治の軸だということを学んだ議員が増えてきた。自民党もまともになってきた」と変化を歓迎した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年2月15日

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