女性管理職の比率が3倍増!明治安田生命、制度も意識も改革しました

(2018年9月26日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
  政府は2020年までに企業の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合を30%に上げる目標を掲げる。しかし現状は11.5%(17年度雇用均等基本調査)にとどまる。そんな中、女性社員に管理職への意欲を持ってもらう取り組みを行い、女性の比率を増やしている企業がある。どんな取り組みかのぞいた。

「危機感」が出発点 8.6%が23.5%に

 女性の管理職登用に力を入れているのは、明治安田生命(東京都千代田区)。同社の女性管理職は今年4月で297人に。約1260人いる管理職に占める女性の比率は14年4月の8.6%から23.5%まで上がった。

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 増やすきっかけは「社会が多様化する中、多様な人が管理職として活躍しないと会社の成長はない」(同社)との危機感だった。同社は15年4月からの人事制度改革で、全ての社員を総合職に一本化。誰でも管理職になれるようにした。総合職は転勤範囲が無限定の全国型と、範囲限定の地域型の2つに分かれる。地域型はほとんどが女性だ。

“気後れ”なくすために体験制度

 女性が管理職を目指しやすくなったものの、本社やさまざまな地域で職務経験を重ねる全国型の社員に対し、地域型は本社または別地域を経験する機会がほとんどない。「管理職を希望することに気後れを感じることが懸念された」(同社)という。

 こうした経験の差による心理的障壁をなくすため、制度改革の一年前から地域型の社員が本社業務を数日間体験できる制度を導入。関心のある部署の仕事や雰囲気を感じてもらった。今月5~7日に開かれた研修には地域型の女性約30人が参加。労務管理制度を学んだり、前月の商品別の売り上げを分析したりした。

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研修で本社の業務を学ぶ総合職地域型の社員ら=東京都千代田区の明治安田生命本社で

「より責任ある仕事をしたいと感じた」

 子ども2人を育てながら、主に埼玉・千葉両県を担当する部署で働く地域型社員の高口舞さん(35)も管理職への意欲を高めた一人。「研修で広い視点を持って会社のことを考えられるようになった。キャリアアップを通じ、より責任ある仕事をしたいと感じた」

 同社はほかにも、自分と業種の異なる社員の仕事ぶりを学ぶ研修や、執行役員による面談などのプログラムも用意している。

会社がうれしい4つのメリット

 そもそも企業が女性の管理職を増やすことにどんな意味があるのか。ダイバーシティ(多様性)や働き方改革に詳しいリクルートマネジメントソリューションズの人事コンサルタントの青木麻美さんは4つのメリットを挙げた。

■女性管理職が増えると「4つのメリット」
①プロセスイノベーション 女性管理職自身が残業を前提にしない働き方をするため、仕事の進め方が効率的・効果的になる
②プロダクトイノベーション 意思決定層に多様な人が加わり、多様な商品やサービスが生まれやすくなる
③ダイバーシティ 多様な働き方が容認され、誰にとっても働きやすい職場環境が期待されるため、入社希望者が増える
④エンゲージメント 社員のモチベーションが向上する

 青木さんは「こうしたことで会社の業績向上にもつながる」と女性登用の重要性に言及する。ただ実現するには壁もある。青木さんは「会社に(遅くまで)残らないといけないという、不要な拘束時間を減らすことが大事。また時間や場所に縛られることなく働ける環境を整えることも大切」と話す。

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