都内初「ファシリティドッグ」 府中市の小児総合病院に 小児がんの子どもを癒やす

松村裕子 (2019年8月7日付 東京新聞朝刊)
 東京都立小児総合医療センター(府中市)で今月から、入院中の小児がんの子どもたちに寄り添い、不安を和らげる犬「ファシリティドッグ」が活動を始めた。都内の病院に導入されるのは初めてで、病室で添い寝をしたり、手術室の入り口まで付き添ったり。治療の痛さが紛れるなど、早くも癒やしなどの効果が出ているという。
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病室で子どもを癒やすアイビー=府中市で(シャイン・オン・キッズ提供)

訓練受けたラブラドール「アイビー」

 ファシリティドッグは米国で普及が進んでいる。小児総合医療センターに導入されたのも、米国で幼少期から特別な訓練を受けたラブラドール・レトリバーの雌アイビー(2歳)。ハンドラーと呼ばれる専門の看護師大橋真友子さん(41)とペアになり、平日に3時間活動している。

 アイビーと大橋さんを派遣したのは国内で唯一、ファシリティドッグの活用に取り組むNPO法人シャイン・オン・キッズ(中央区)。センターと協定を結んでおり、費用は寄付で賄われ、都の負担はない。

国内では3例目「一緒にいて楽しい」

 導入を受け、小池百合子都知事は5日、センターを視察。病室でアイビーの活動を確かめ、入院している子どもに感想を尋ねると、「一緒にいて楽しい」と答えていた。センターの病床数は約560あるが、アイビーが対応しているのは1病棟の27人にとどまっており、知事は「患者にとって大きな癒やしや希望につながっている。アイビーを見て何が必要か考えていきたい」と話した。

 国内でファシリティドッグを導入したのは2010年の静岡県立こども病院、12年の神奈川県立こども医療センターに続いて3例目。 

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年8月7日

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