稲城市、中学校の部活動に民間会社から指導員 教員の負担軽減 千代田区、江東区、江戸川区も予定
宮本隆康 (2022年5月13日付 東京新聞朝刊)
教員の働き方改革を進めようと、東京都稲城市は12日、市立中学校の部活動に民間指導員を派遣してもらう協定を部活動指導受託会社「クラブ活動支援」(世田谷区)と結んだ。部活動の指導は教員の長時間労働の一因とされ、負担軽減につなげる。稲城市によると、多摩地域の自治体で同社と指導員派遣協定を締結したのは初めて。
サッカー、バスケ、バレーで週2回
クラブ活動支援は、都内などで幼児教育施設やスポーツクラブを運営する「バディ企画研究所」(世田谷区)の子会社。プロやアマチュアの元選手の正規職員約150人を派遣できるという。都内では本年度中に千代田区と江東区、江戸川区と協定を結ぶ。
稲城市では今月末にも、中学校5校に一人ずつ指導員の派遣を始める。種目はサッカーとバスケットボール、バレーボールの3競技。週2回、1日2~3時間の指導をする。試行期間の9月末までは無料で派遣。市は10月以降、ふるさと納税で費用を確保する。
市によると、教員の長時間労働のほか、部活動の顧問のなり手不足も課題になっていた。バディ企画研究所の幼児教育施設が市内にある縁で、クラブ活動支援から指導員派遣を打診された。
スポーツ庁 が「地域移行」を目標に
稲城市役所で開かれた協定締結式で、高橋勝浩市長と同社の鈴木威社長が協定書に署名。高橋市長は「外部指導員の確保は問題解決の重要なテーマの一つ。全ての中学校の部活動をこの方式で賄うことはできないが、重要な選択肢だ」と話した。
公立中学校の部活動を巡っては、スポーツ庁の有識者会議が先月に発表した提言案で、休日の指導を地域や民間の団体に委ねる「地域移行」を2023~2025年度の3年間で達成するとの目標を盛り込んだ。ただ、市によると、現場からは「地域に適任の指導者がいるとは限らない」との声も聞かれたという。
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