「小1の壁」対策にも…放課後を学校で過ごす「アフタースクール」という選択肢 2022年の子どもニュースを振り返る
お絵描き、外遊び…希望者は「習い事」
11月下旬、千葉市美浜区の市立稲浜小学校を訪ねると、放課後だというのに、元気な声が響いていた。校舎1階の教室に集まっていたのは1~4年生の約50人。「稲浜小アフタースクール」と呼ばれる取り組みだ。室内で絵を描く子、グラウンドで外遊びをする子。希望者は有料のプログラミングや英語、体育・体操などの「習い事」にも参加できる。
ほぼ毎日利用しているという2年の北見明日香さん(8つ)は「絵を描いたり、友だちと話したりするのが楽しい」と笑顔を見せた。4年の小笠原理人(りと)さん(10)は「家もいいけど、こっちもいい。鬼ごっことか野球とか、友だちと一緒に遊べるから」とつぶやいた。
NPOが運営 首都圏など21校で展開
運営するのは、NPO法人「放課後NPOアフタースクール」(東京都文京区)。体験プログラムの講師などには地域住民や企業の従業員が協力する。首都圏などの21校で展開している。
放課後の子どもの居場所としては、働く保護者の子らが利用できる学童保育があるが、地域によって待機児童も多く、特に高学年は利用しにくい。習い事への送迎サービスなどがある民間の学童保育も各地にできつつあるが、月額数万円と経済的な負担は軽くない。千葉市は今後、校内の施設を活用できる学校から、できるだけ多くの小学校に「アフタースクール」を導入する考えだ。
こども家庭庁発足 子どもの要望は?
法人は11月、任意団体「子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会」とともに、小学生11人が話し合った外遊びの現状や理想に関する意見書を、小倉将信こども政策担当相に提出した。
来年4月に発足する「こども家庭庁」は、子どもの意見を政策に生かすことを基本理念としている。稲浜小アフタースクールの子どもたちにも、大人への「要望」を聞いてみた。3年の横本和巳(なごみ)さん(9つ)は「学校にもう少し遊具がほしい」、同学年の池辺帆香(ほのか)さん(9つ)は「グラウンドが自然いっぱいになるといいな」と話していた。
「アフタースクール」の狙いは? 放課後NPOアフタースクール・平岩国泰代表理事に聞く
子どものころ、学校が終わると、家にランドセルを置いて近所で友だちと日が暮れるまで遊びました。しかし、今、子どもたちは好きなことに打ち込む時間も、たくさんの遊び場がある空間も、時間を忘れて遊ぶ仲間も失っています。放課後を子どもが自分で考え、使える時間にしようと、2009年に法人を設立しました。
子どもが巻き込まれる事件は、放課後の時間帯に多く発生し、安全な場が必要だと感じました。また、習い事や塾で忙しい子どもがいる一方で、学校給食のない日は昼食を食べられない子もいます。家庭の経済格差は、子どもの体験や教育の格差につながっています。
アフタースクールは学童保育の機能もありながら、希望する子がさまざまなことを体験できる場です。子どもたちが放課後の過ごし方を自分で決め、好きなことに没頭したり、挑戦したりできる選択肢を示したいと考えています。
1月 | ・東京都などの公衆浴場の混浴制限年齢が「10歳」から「7歳」に ・千葉の全県立中高で生理用品の無料提供が始まる |
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2月 | ・コロナ休校時の休業助成金について、保護者申請を勤務先の事前同意不要に見直すと厚生労働省が発表 |
3月 | ・国際NGOが実施した調査で「子どもの権利」の内容を知らない先生が3割に(結果は4月公表) |
4月 | ・不妊治療の保険適用が拡大 |
5月 | ・登下校や体育の授業はマスク不要と文部科学省が通知 |
6月 | ・こども家庭庁設置関連法が成立、2023年4月に発足予定 ・都が育児休業の新たな愛称を「育業(いくぎょう)」と発表 |
7月 | ・都の保育所などの待機児童が過去最少の300人に。全国では2944人と厚労省が8月に発表 |
8月 | ・大阪市の小学3年生・藤田怜央さん、世界最年少で囲碁プロ棋士になることが決まり会見 |
9月 | ・静岡県牧之原市で通園バスに置き去りになった女児が死亡。警報ブザーなどの設置が義務に ・国連が日本に「特別支援教育の中止」を勧告 ・都立高の男女別定員制、2024年度にも廃止へ都教委が方針を示す |
10月 | ・父親の育休取得を後押しする「産後パパ育休」スタート ・市立保育園の廃園をめぐり東京都小金井市長が辞職。11月に新市長が決まる ・2021年度の全国の不登校の児童生徒数は24万4940人で過去最多と文科省が発表 |
11月 | ・学童保育の入所児童数が過去最多134万人に(全国学童保育連絡協議会調べ) ・入試への活用をめぐり反対の声がある中、都教委が「英語スピーキングテスト」を実施 ・静岡県裾野市で保育士による虐待があったことを市が公表 |
12月 | ・離婚後の子どもの「共同親権」をめぐりパブリックコメント開始 ・出産育児一時金を42万円から50万円に増額すると岸田首相が表明 ・2022年の出生数の概数が統計開始以来初めて80万人を下回る見通しと厚労省が発表 |
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千葉市では全ての学童保育(子どもルーム)をアフタースクールに移行することを正式に発表しました。記事に出ていたNPOさんはそこの学校だけです。他は様々な業者が手を挙げ…3年後には見直しというやり方です。安心安全とは程遠い実態です。
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千葉市のアフタースクールは放課後子どもルーム(いわゆる学童)と放課後子ども教室を一つの事業者が運営するものです。千葉市放課後子どもプラン第2期で今後の方針が示されるようです。
記事では良いことばかりが記載されています。
全児童を対象にすることで、学校の一時的に空いたスペースで2年生以上も過ごしています。これまで第二の家のように過ごしてきた子たちが、不安定な状況に置かれています。
そして、「体験」と言われる内容もこれまで子どもルームでやってきたことをあえて体験として提供しているだけです。
どうか、本当に保育が必要としている子に手が届いているか、現場をよく見てください。