多胎児を育てる家庭、93%が「子どもにネガティブな感情を持った」 虐待死事件への共感も

(2019年11月19日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
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支援の必要性を訴える「多胎育児のサポートを考える会」の市倉加寿代代表(右から2人目)ら

 双子や三つ子などを育てる家庭の調査や、支援策を提言する市民団体「多胎育児のサポートを考える会」などが行ったアンケートに、93%が「子どもに対してネガティブな感情を持ったことがある」と回答した。多胎児の子育てに疲弊する実態が浮き彫りになったとして、同会は「多胎児の妊娠を把握した時点で、行政が支援を始める必要がある」と指摘した。

市民団体が1591世帯を調査 「殺してしまうかもと思った」の声も

 調査は9~10月、インターネット上で実施し、多胎児を育てる全国の1591世帯が回答した。

 「ふさぎ込んだり、落ち込んだり、子どもに対してネガティブな感情を持ったことはあるか」という問いに、93.2%が「ある」と回答。自由記述には、「子どもを殺してしまうかもと思った」「毎日泣いていた」などのほか、愛知県で昨年1月に三つ子の一人を虐待死させたとする母親に共感するようなコメントもあった。

 育児でつらいと感じた場面(複数回答)の問いには、89.1%が「外出や移動が困難」と答え、「自分の睡眠不足や体調不良」「自分の時間がとれない」がそれぞれ77.3%。必要なサポート(複数回答)については、68%が「家事育児の人手」、57%が「金銭的援助」、52%が「子どもを預ける場所」と答えた。

1日におむつ替え28回、授乳18回…多忙で支援情報にたどり着けず

 回答した世帯のうち、双子を育てているある家庭では、1日におむつ替えが28回、授乳が18回にも及んでいた。

 同会の市倉加寿代代表(35)は、自分の食事やトイレもままならないほど多忙で「当事者は支援情報にもたどり着けていない」と話す。

 家族など身内だけでは解決できない状況にあり、保育所入所の要件に「多胎児」を加えるといった行政の支援が必要だと指摘した。

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元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年11月19日

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