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「保育園浪人」港区議・清家あいさんが生々しい声を本に

早川由紀美 (2017年11月29日付 東京新聞朝刊)

 人口流入が続き、子どもの数は増え続ける一方で、保育園を増やし続けようにも土地も保育士も保育課の職員も足りない。そんな都心の象徴的な自治体の一つ、港区で区議として保育問題に向き合う清家(せいけ)あいさん(42)が著書「保育園浪人」を今月、出版した。生々しい声を多数織り込み、社会全体のこととして考えてもらうきっかけにと願う。

写真は待機児童問題についての本を出版した清家あいさん

待機児童問題についての本を出版した清家あいさん

「どこの自治体も保育課が殺伐としている」

 港区のゼロ~5歳の人口はこの10年で1.6倍以上に増えた。区は認可保育園や認証保育所など保育施設の定員を約2.7倍に増やしているが追いつかず、4月1日時点の待機児童は164人に上る。「共働き世帯も増え、子どもと一緒にいる時間を確保しようと思えば都心を選ぶ」と清家さんは流入の背景を説明する。

 保育施設を急激に増やす中、指導監督に当たる保育課の職員は疲弊し、保育園を運営する事業者からは「どこの自治体も保育課の空気が殺伐としている」との声も漏れる。

ベビーシッター自宅派遣に活路を見出す

 著書では、保活でうつ状態にも陥る母親らの声などをつづったうえで、いくつか活路の見いだせそうな方向性を提言。一つはベビーシッターを自宅に派遣する「居宅訪問型保育事業」。千代田区で始まり、豊島や渋谷、港区へと広がった。集団で遊ぶ機会がないことなどに懸念の声もあることから、同じ制度を利用する家庭の子どもたちが一緒に公園で遊ぶ時間を設けるなどの運用方法も考えられるという。

 企業が国から助成を受けて整備する「企業主導型保育所」については、赤ちゃんを抱っこして満員電車で通勤するのは現実的ではないため、フレックスタイム制の充実も必要とする。台東区などが導入している、大規模マンションの事業者に保育所設置を促す仕組みを、国や都が後押ししていくことも提言する。

子育て世代の「投票」が大事!

 清家さんは元新聞記者。長女を出産して退社しフリーランスになったが、待機児童問題に直面。同じ悩みを持つ母親に向けて情報共有のブログを始めたことがきっかけで、政治の世界に足を踏み入れ、現在区議2期目。本では子育て世代が投票で政治を動かすことの重要性にも触れた。「問題解決には壁だらけだが、子どもを産んで働いて社会を支える世代のために、皆で今やれることをやらなければ」と訴える。秀和システム刊。税抜き1300円。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2017年11月29日]