〈田中健さんの子育て日記〉34・父の背中の影響力は?  

(2018年5月25日付 東京新聞朝刊)

田中健さんの子育て日記

写真

コートの端切れで娘が作った肩掛けバッグ

 娘は今年はクラス替えがあり、5年生になって初めて親しくなった友達もできたとか。新鮮な空気を感じます。

手芸クラブと放送委員会

 4月から始まったクラブ活動は手芸料理クラブに、委員会は放送委員会に入りました。これには家内が「自分の小学校時代と全く同じだ」と驚いていました。僕は小学校時代は器楽部で、委員会は特にありませんでした。母親の影響が大きいようです。

 娘は、洋裁教室に通っている家内に小さな頃から折々に同行していました。この春休みにも、教室の先生のコートの端切れで肩掛けバッグを仕上げました。稽古後の先生手製の菓子とお茶の時間も楽しいようで、洋裁教室の先生は娘の憧れの職業の一つでもありました。

 どんな委員会活動が良いだろうかと話した際には、家内が小学生時代の活動の思い出話をしたそうです。

 「下校の時刻となりました。交通安全に気を付けて…」と放送したという話に、娘は「私の学校では昼休みの放送よ。自分で原稿を書くの。放課後放送は先生がなさるかな」と比べていたようです。「声が小さいと指導を受けたことがあるので、はっきり話し、伝えられる能力を身に付けたい」と僕にも話してくれました。

同性だから?

 親の話すこと、してきたこと、していることは子どもに大きく影響していると感じます。これまで振り返ると、家内の影響ばかりで僕の影響をあまり受けていないようにも感じ、関わり方が少ないかもと省みます。

 素直に家内に話してみると「私の影響が強いのは同性だからかも。お父さんが集中して何度も演技の練習を重ねている姿を見ることも、良い影響があるのではないかしら。遅い時間ばかり練習せずにお願いします」と言われました。

 最近、僕は掃除スキルが上がったと家内に認められ、娘と一緒に掃除をしています。「こうした背中を見せすぎると、娘の将来の伴侶が困るだろうなぁ」と言うと、「今のご時世、そんなことは全くないわよ」と家内に返されました。時代が違うようです。

 1回目の放送当番日が近づくと、家内に相談しながらの原稿作りと練習が始まりました。僕は練習だけ何度か付き合いました。次は僕にも原稿の相談があるでしょうか?

 娘への家内の影響の強さは、同性ということだけではくくれないように思いますが、きっとこれで良いのでしょう。(俳優・ケーナ奏者)

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