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「スポ根」の発想を転換しよう 指導者の体罰、暴言、セクハラはNGです 中高生向けに漫画で解説

加藤行平 (2019年7月3日付 東京新聞朝刊)
 スポーツ界で不祥事が相次ぎ、コンプライアンス(法令順守)が改めて課題となる中で、一般社団法人「スポーツ・コンプライアンス教育振興機構」(東京都港区)は、部活動をする中高校生ら向けに漫画でコンプライアンスを解説する本を作成、近く発刊する。若者に親近感のある漫画を通じてフェアプレー精神の育成を目指したい考えだ。 
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掲載予定の漫画の一場面。部活動中の体罰とセクハラを描いている。上の漫画は梅屋敷ミタさん、下は板垣翔子さん作成=スポーツ・コンプライアンス教育振興機構提供

指導者のハラスメント、部員の問題行動など描く

 タイトルは「まんがでわかる みんなのスポーツ・コンプライアンス入門」(仮称)。5人の漫画家が作画を担当し、反コンプライアンス的な行為をストーリー仕立てで紹介している。

 男子バレーボール部コーチが、指示通りにできない部員たちを体罰や暴言で追い詰めたり、女子バスケットボール部のコーチが部員の体を触り、「お前は醜い」と容姿を中傷するなど、指導者側のハラスメント行為を描いている。また、サッカーの試合で「弱気なプレーはダメだぞ」と仲間からプレッシャーを受けた部員が、ラフプレーで相手の選手をけがさせたり、野球部の補欠部員が喫煙をしてチームが出場停止に追い込まれるなど、部員が起こす問題点を取り上げている。

やさしく、深く、面白く伝えたい

 解説のコーナーでは、スポーツマンシップにまつわるエピソードを紹介。「勝つことがすべて」「痛みの向こうに勝利あり」という「スポ根」の発想から、「正々堂々と戦い、勝っても負けても互いに敬意を払う」という「スポコン」(スポーツ・コンプライアンス)への転換を呼び掛けている。

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武藤芳照代表理事

 スポーツ・コンプライアンス教育振興機構の代表理事、武藤芳照東京大名誉教授(68)は「『ルールを守る、大切にする』ことができず、劣化しているのはスポーツ界だけでなく社会全体に共通している」と指摘しつつ、「無知や無理がコンプライアンス違反行為を引き起こしている面がある。漫画を通じてやさしく、深く、面白く伝え、若い時からルールとフェアプレー精神を守ることで、人間的な成長を目指してほしい」と呼び掛けている。

8月に発行 部活顧問らに活用も

 8月初めに学研プラスから発行する。80ページで1800百円(税別)の予定。学校の教材として生徒たちが学び、部活を指導する教師も活用することを想定している。問い合わせは同教育振興機構=電03(5521)2205、ファクス03(3581)2210=へ。

スポーツ・コンプライアンス教育振興機構とは

 スポーツ界で違法行為やコンプライアンス違反とされる行為が続発したことから、スポーツの価値を高め、守り育むために、2017年4月に発足。20年東京五輪・パラリンピックを見据え、スポーツ・コンプライアンス教育を通じてより健全なスポーツの普及、振興を目指す。理事はスポーツ団体、教育機関の関係者や有森裕子さんら元アスリート、弁護士らが務める。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年7月3日