先生が足りない 関東の1都6県の公立小中で年度当初500人 育休や病休の代理が見つからず 

小林由比、原尚子 (2019年10月20日付 東京新聞朝刊に一部加筆)
子育て世代がつながる
 本紙が関東1都6県の計39の自治体の教育委員会に行ったアンケートで、2019年度当初時点で、公立小中学校に配置すべき教員が、少なくとも503人不足していたことが分かった。教員不足の自治体は16で4割に上った。回答からは、産休・育休取得者や病気休職などが出た場合に、代わりの教員を確保できない現状が広がっていることがうかがえ、子どもたちの学校生活への影響も懸念される。

小学校の学級担任13人、中学の教科担任23人が不足  

 教員の採用や配置は都道府県と政令市の各教委が行う。本紙は今年6~7月、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬の各県と横浜、川崎、相模原、さいたま、千葉の5つの政令市の教委にアンケートした。東京都内は23区と人口20万人以上の五市の教委に調査した。

 調査結果によると、小学校では13自治体で常勤344人、非常勤39人が不足。中学校も13自治体で、常勤83人、非常勤37人が不足していた。小学校では学級担任13人が、中学校は教科担任23人が不足していた。

「穴埋め」のための非正規教員が枯渇

 教員が配置できない理由で多かったのは、産育休などの教員の代役となる非正規教員の不足だ。教員の欠員が出た場合、学校などはまず都道府県教委などが持つ登録リストに載っている人の中から後任を探す。

 しかし近年、このリストの人材は枯渇気味。もともと登録しているのは「教員採用試験の不合格者」が多かった。ところが、2010年ごろからは、かつて大量採用されたベテランが退職期を迎え、正規採用が増えたことで登録者が減った。教員志望者自体も減少傾向にあり、新たな登録も減っている。

 一方で欠員を埋めるための需要は増加している。「大量退職、新規採用増」の影響で、公立学校では教員の年齢が若返っており、ここ数年はその世代が産休や育休を取ることが多い。

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(文部科学省公立学校教職員の人事行政状況調査より)

目立つ理由「産休・育休取得者の増加」

 アンケートでは教員確保が難しい理由として「若手教員が増えて産休・育休取得者が増加しているため」(千葉県)という回答も目立った。加えて「病気休職が日々発生している」(東京都八王子市)との回答もあるように、過密労働による精神疾患などで休んだり、辞めたりするケースも少なくない。

 教員確保策については「退職者への登録の働き掛け」(埼玉県、さいたま市)「65歳以上も講師登録可能とした」(千葉県)など、定年退職者の活用を挙げた自治体が多かった。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年10月20日

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