不登校→「スクールノマド」と呼ぼう 制服向上委員会「プラスの言葉で」改称提案

北條香子 (2019年10月28日付 東京新聞朝刊)
 「不登校」という言葉はやめ、「スクールノマド(スクノマ)」に言い換えませんか-。不登校という言葉の負のイメージで当事者の子どもたちが傷ついているとして、新名称を募集していた社会派アイドルグループ「制服向上委員会」は、新名称を「スクールノマド」とすると発表した。国が用いる正式な名称にするには法改正が必要。グループは「まず新名称を定着させ、いずれは法改正も目指したい」と意気込む。 
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不登校に代わる新呼称「スクールノマド」を発表する(左から)橋本美香さん、宮台真司さん、齋藤優里彩さん=東京都小平市で

「ホームスクーラー」「個別型学習」提案100件

 「ノマド」は英語で「遊牧民」を指す。国内でも10年ほど前から、パソコンやスマートフォンを活用し、職場に縛られずに自由に仕事をする人が「ノマドワーカー」と呼ばれている。

 4月から改称案を募集したところ、不登校経験者の家族や教育関係者などから「個別型学習」や「ホームスクーラー」など約100件の提案があった。応募者や国会議員らの投票で上位に入った十候補から、社会学者の宮台真司氏やプロジェクトのスタッフで選考した。

「外の世界とつながり、生き方や考え方を学んで」

 東京都小平市で18日にあった新名称発表会で、宮台氏は「引きこもるのではなく外の世界とつながって、勉強だけじゃなく、生き方や考え方を学んでほしい、大人も支援するという意味を含んでいる」と説明。グループの会長を務める橋本美香さん(39)は「新名称の定着には時間がかかると思うが、プラスの言葉に変わることで、理由があって学校に行けない子どもたちが追い詰められることのない世の中にしていきたい」と期待を込める。

 文部科学省が17日に発表した2018年度の問題行動・不登校調査では、不登校の小中学生は全国で約16万4500人で過去最多。17年2月施行の教育機会確保法では登校のみを目標とせず、休養の必要性を踏まえた上で、学校以外での多様な学習活動を支援する方針を掲げている。

 同省児童生徒課の担当者は、スクールノマドの名称について「教育機会確保法の趣旨に合致するのであれば、国全体の考え方に合っている」と述べた。同法で「不登校」は法令上の言葉として定義づけられ、国として名称を変えるには法改正が必要で、現時点では検討していないという。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年10月28日

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