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広がる川崎市内の「寺子屋」 地域住民が子どもに勉強教えます

石川修巳 (2018年9月4日付 東京新聞朝刊)

先月31日に新たに始まった「寺子屋井田中」=いずれも中原区の市立井田中学校で

2014年度から始まり40カ所に

 川崎市中原区の市立井田中学校(井田杉山町)に、地域住民が子どもたちの学習を放課後に支援する「寺子屋」が新たに開講した。市が2014年度に始めた地域の寺子屋事業の一環で、市内の小中学校で40カ所目。寺子屋で学ぶ子どもたちとともに、先生の大人たちも試行錯誤しながら、交流をはぐくむ場になっている。

地域の「寺子屋先生」が活躍

 「寺子屋井田中」と銘打った1時間の学習教室は先月31日に開講し、初日は同校1~2年の生徒18人が参加。教える側は元中学教諭や民生委員・児童委員らのほかに、市の「寺子屋先生」養成講座を受けた地域住民たちも加わり、どう分かりやすく教えるかに苦心していた。

 「65歳で定年になり、これまで自分の好きなことをいっぱいやってきたから、次は社会の役に立つことをしたいと思って」

 寺子屋先生になった理由をそう明かす間多(まだ)均さん(70)は、電子工学を専門とする元大学教授。初日を振り返って「教えることよりも、若い人たちと話すのが楽しい」と語った。

学習支援後に課題を話し合う実行委員会メンバーたち

 会社員の円地(えんち)浩昭さん(58)も「2年後の定年を考えて、(寺子屋先生として)新しいかかわりができるかなと思って」と説明。「数学を教えるのは中学2年ぐらいまでが限界かな。私も勉強しないと」

すべての小中学校で目指す

 この寺子屋は今後、英語と数学を中心に定期試験前に合わせて学習教室を開くという。初日の教室終了後、寺子屋先生たちは「また来たい、と言ってくれた」「学力が伸びたら(教える側の)私もうれしい」と手応えを口にした。

 「寺子屋井田中」実行委員会の委員長で、地元町会長も務める竹井斎(ひとし)さん(62)は「地域の大人も子どもも新しい関係づくりができる。学校や学習塾のほかに、いろんなタイプの学びの場所があっていい」と話している。

 市教育委員会によると、市内すべての市立小・中学校に寺子屋の開講を目指している。現在は小学校113校のうち37カ所、中学校は52校のうち、井田中を含めて3カ所にとどまる。地域の担い手確保が課題になっており、市教委は養成講座などを開いて協力を呼びかけている。

川崎市教委「地域の寺子屋事業」のイメージキャラクター「寺ッコ」

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2018年9月4日]