世界各地の日本人学校でも新型コロナの影響 入国制限などで教員465人赴任できず

中沢穣 (2020年4月3日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 新型コロナウイルスの感染拡大で、世界各地の日本人学校の授業などに大きな影響が出ている。1月末から休校が続く北京日本人学校は再開の見通しがたたず、4月下旬からネット授業を行う準備を進める。世界各地では入国制限などで、日本人学校などに赴任できない教員が465人に上る。

当局の指示で教職員以外は立ち入りができない状態の北京日本人学校=2日、中沢穣撮影

休校2カ月超の北京「学習権を回復させたい」

 新型ウイルスの震源地となった中国では、北京や上海などの日本人学校が1月下旬の春節(旧正月)休み以降、授業が再開できない状況が続き、卒業式や修了式もできずに春休みに入った。中学3年生や小学6年生は級友と再会できないまま卒業した。

 終息の兆しが見え始めた北京の日本人学校では、4月13日に予定していた始業式を24日に行う方針だが、北京市は現在も、すべての学校で児童生徒らの登校を認めていない。このため始業式以降も当面はネット授業を余儀なくされる見通しだ。始業式もネット上で行う可能性がある。

 しかも、4月に赴任予定の教員8人が北京に渡航できず、残る教員20人がネット授業の準備に追われている。栗本和明校長は「子どもの学習権をなんとか回復させたい」と話すものの、「ネット上では子どもの反応を見ながら授業を進めることが容易でない」と、ネット授業の難しさも指摘する。

予定通り派遣されたのは4校の計19人だけ

 文部科学省によると、海外の日本人学校と補習授業校の計160校に、4月から484人の教員が派遣される予定だが、予定通り派遣されたのは4校の計19人にとどまる。昨年度は教員約1300人が海外派遣されており、4月から赴任できない教員は全体の三分の一以上にのぼる。

 新型ウイルスの感染防止のため世界各国が外国人に対する入国制限を行っているほか、日本の外務省が70以上の国・地域に渡航中止勧告を出している。このため渡航できない教員465人の大部分は赴任の見通しが立っていない。

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