「居場所は給食センター」効果あり 休みがちな小中学生に「食べにおいで」 登校できるようになった子も
昆野夏子 (2023年5月18日付 東京新聞朝刊)
八王子市「はちっこキッチン」
さまざまな理由で学校を休みがちな中学生の居場所にと、八王子市が市内の給食センター(愛称・はちっこキッチン)で生徒に給食の提供を始めて3カ月余り。センターでの交流によって学校に通えるようになった生徒もいて、効果が現れ始めている。4月からは小学生にも提供。市や市教育委員会の担当者は、訪れた児童生徒を温かく見守っている。
学校や社会とつながるきっかけに
八王子市と市教委は、学校に通えない子どもたちに図書館や児童館などの公共施設を「第3の居場所」として提供しており、給食センターの利用もその一環。2月から元八王子、南大沢、元横山の各センターで給食を出している。同級生と同じメニューを食べたり、センター職員と交流したりして、学校や社会とのつながりを持ってもらう狙いがある。
3月末までにセンターを利用したのは中学生6人。おかわりする子や「おいしかった」と伝えてくれる子もいたという。
このうち2人は新年度から登校できるようになった。給食の調理に興味を持った女子生徒もいる。釜をかき混ぜる手伝いなどをして「調理がこんなに好きだなんて、自分では気付かなかった」と笑顔を見せたという。この生徒は3月末に中学を卒業し、高校に進学した。センター職員は「過ごしやすい場所になっていたのならうれしい」と話した。
献立表を見て、食べたい日にどうぞ
新年度になってからは、これまで中学生9人が利用し、小学生4人も顔を見せている。「久しぶりの給食」「明日も来ます」と楽しんでいるという。
休みがちな児童生徒には、学校から「はちっこキッチン招待状」と給食の献立表を届けている。食べたいメニューの日に訪れることができる。利用は午前11時半~午後1時。中学生は予約不要で、小学生は電話で申し込む。
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いい取り組みだと思いました。
給食センターだけでなく、不登校の方々に、いろいろな居場所ができるといいですね。