高校3年間の塾費用、首都圏は平均233万円 教育費のヤマ場「大学進学」どう準備?〈どんぶり一家のマネー術〉

(2020年6月5日付 東京新聞朝刊)

どんぶり一家のマネー術

 主婦の財子(ざいこ)さん(39)と会社員の夫の経男(つねお)さん(42)、長男税太(ぜいた)くん(4)、長女貨保(かほ)ちゃん(0)のどんぶり家。一家のお金の悩みにFP陽子さんが助言するコーナーです。

全国平均30~40万円 浪人なら50~100万円

 財子 陽子さんに教わるようになって、少しずつわが家の教育費が見通せるようになってきました。


〈前回はこちら〉お金の勉強は社会の仕組みを学ぶこと 親子で始めてみませんか


 陽子 よかったです。でもこれからが本番ですよ。教育費のヤマ場は大学進学にかかる費用ですからね。まずは受験にかかる費用を見てみましょう。

 財子 受験に備えた塾の費用は、進学先の希望など子どもによって差が出そうですね。

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 陽子 3科目を3年間受講し、季節講習にも通う「がっつり派」だと、塾費用は3年で計約230万円に上ります。ただ、文部科学省の調べでは、全国平均は3年で約30万~40万円台。3年生だけ通って約100万円かかったという例もありますが、苦手科目だけ受講したり、通塾より安く済むオンライン授業を利用したりと、節約も可能です。

 財子 高校の態勢にもよりますね。

 陽子 通塾を前提とした学校がある一方で、3年生の夏休みでも塾に行かなくてもいいぐらい補講をする学校もあります。浪人した場合、50万~100万円かかるのが一般的なので、念のため3年間で100万円程度の塾費用を見積もっておくといいでしょう。

制度も変わる 子どもが小さいうちに準備を

 財子 本番の受験費用は節約が難しいですね。

 陽子 本年度から始まる大学入学共通テストの検定料は、3教科以上で1万8000円、国公立の2次試験は1万7000円程度。私立大の一般入試は約3万5000円かかります。私立大は学部を替えながら何回も受ける受験生もいますし、交通費やホテル代が必要な場合も。滑り止めの大学に入学金を納付する必要が出ると、さらに大きな出費です。

 財子 うちの子たちが受験するころは、入試のあり方自体が変わってるかも。

 陽子 試験内容や方法、奨学金制度も変わると思いますが、高校以降の学びが多様化し、特別なスキルを身に付けるレッスンや、海外留学、大学院進学など、教育費のかけどころが変わる可能性もあります。子どもが小さいうちに備えるのが大切ですね。

監修・八木陽子

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 東京都在住。1男1女の母。出版社勤務をへて独立。2001年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、マネー記事の執筆やプロデュース、セミナーなどの仕事をする。2005年、親子でお金と仕事を学ぶ団体「キッズ・マネー・ステーション」を設立。2008年、家計やキャリアに関する相談業務を行う「株式会社イー・カンパニー」を設立した。著書に「6歳からのお金入門」(ダイヤモンド社)、「10歳から知っておきたいお金の心得」(えほんの杜)など。

※「どんぶり一家のマネー術」は毎月第1金曜に掲載します。次回の掲載は7月3日です。

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