奨学金のこと今から知っておこう① 低所得世帯を支える国の新制度もスタート〈どんぶり一家のマネー術〉

(2020年8月7日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

どんぶり一家のマネー術

 主婦の財子(ざいこ)さん(39)と会社員の夫の経男(つねお)さん(42)、長男税太(ぜいた)くん(4)、長女貨保(かほ)ちゃん(0)のどんぶり家。一家のお金の悩みにファイナンシャルプランナーの陽子さんが助言するコーナーです。

高校卒業後、約8割は進学 半数が奨学金

 陽子 今回から、奨学金制度がテーマです。

 財子 まだ先のことで、実感がわかないのですが…。

 陽子 今や高校を卒業した人の約半数が大学へ、専門学校などを含めると約8割が進学します。一方で、所得の伸び悩みなどで、教育資金が不足している家庭は珍しくなく、学生の半数が奨学金を利用しているんですよ。


〈前回はこちら〉大学4年間の教育費 最安の「国立・自宅」でも500万円超 入学までに半分は準備したい


新制度は入学金免除 約91万円の給付型も

 財子 誰でも利用する可能性があるんですね。

 陽子 大きく分けて、公的な奨学金と、民間の奨学金があります。公的の代表が、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金。奨学金の貸与金額では9割近くをJASSOが占めています。

 財子 昔は日本育英会と呼ばれていましたよね。

 陽子 その名称の方がなじみのある人も多いかもしれません。JASSOの奨学金は、返済不要の「給付型」と、将来返済する必要がある「貸与型」があり、最近は給付型も拡充されています。

 財子 給付型の対象は。

 陽子 両親らの家計収入が住民税非課税世帯の水準にある学生が中心です。今年4月からは、国が低所得世帯の学生を支える「高等教育の修学支援新制度」が始まりました。入学金が最大約28万円、授業料が年間最大約70万円減免される制度のほか、それ以外にも使えるJASSOの給付型奨学金(年間最大約91万円)があり、組み合わせて使うことができます(下の表参照)。

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貸与型はあくまで借金 利用額など慎重に

 財子 新型コロナの影響で経済的に困る家庭もあります。親の収入にかかわらず、子どもの進路の幅が広がるのはいいですね。

 陽子 進学後の成績が低迷すると、給付の停止もあり得ます。意欲を持って学ぶ姿勢も大事です。

 財子 「貸与型」は、卒業後の返済が大変で、滞納する人もいると聞きますが。

 陽子 利息は低いですが、借金には違いありません。利用する額などを慎重に検討する必要があります。次回詳しく伝えます。

監修・八木陽子

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 東京都在住。1男1女の母。出版社勤務をへて独立。2001年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、マネー記事の執筆やプロデュース、セミナーなどの仕事をする。2005年、親子でお金と仕事を学ぶ団体「キッズ・マネー・ステーション」を設立。2008年、家計やキャリアに関する相談業務を行う「株式会社イー・カンパニー」を設立した。著書に「6歳からのお金入門」(ダイヤモンド社)、「10歳から知っておきたいお金の心得」(えほんの杜)など。

※「どんぶり一家のマネー術」は毎月第1金曜に掲載します。次回の掲載は9月4日です。

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