#学校ムリでもここあるよ 「行きたい、生きたい」第3の居場所 川崎の団体が全国140カ所を紹介

石川修巳 (2020年8月30日付 東京新聞朝刊)
  「#学校ムリでもここあるよ」を旗印に、川崎市内の市民団体などが連携して、学校に行くのがつらい子どもたちに地域の居場所を紹介するキャンペーンを展開している。目指すのは、学校や家庭のほかに、子どもたちが本当に「行きたい」「生きたい」と思える第3の居場所づくりだ。
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「子どもたちの選択肢を増やしたい」と語る上田さん=川崎市中原区で

休校明けから相談急増

 キャンペーンを展開しているのは、学校外の学びを支える「多様な学びプロジェクト」の運営団体フューチャーデザイン(川崎市)、NPO法人フリースクール全国ネットワーク(東京都北区)など4団体でつくる実行委員会。

 居場所の開放や相談、食事の提供などを行う団体の情報を特設サイトで紹介しており、全国で約140カ所を登録。県内には、川崎市内3カ所を含め計7カ所ある。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、臨時休校や夏休みの短縮など、子どもたちにも大きな不安と負担が強いられている。休校明けに不登校の相談が急増したほか、親子ともに疲弊している実態もあるという。

 「だから今こそ、子どもたちを社会全体で受けとめるよ、という発信が必要」とフューチャーデザイン代表の生駒知里さん。「それは、『あなたはあなたのままでいいよ』と受けとめてくれる存在や、そのままでいられる居場所ではないかな」とも。

学ぶ選択肢増やしたい

 登録した居場所のひとつ、川崎市中原区木月4の「学びのサポートルーム ludo(ルード)」。自習室としても使える無料の居場所とともに、気が向いたらおしゃべりしたり、相談したりできるオンラインの居場所も設けている。

 主宰する上田志穂さんによると、ルードとはラテン語で遊びを意味しており、学びとは本来、ワクワクしたりドキドキしながら新しい世界を知る遊びの一つなのだという。

 「けれども、学校に行かないというだけで、いっぺんに奪われてしまう。子どもたちが学ぶ選択肢を増やしたい」と語る。市内ではほかに「NPO法人フリースペースたまりば」(高津区)、「みやざきだいこども食堂」(宮前区)が登録されている。

 キャンペーンは9月12日まで。詳しくは「#学校ムリでもここあるよ」特設サイトへ。運営費用を賄うため、50万円を目標にクラウドファンディングで寄付も募っている。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年8月30日

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