コロナ禍でも「教室から世界一周!」 海外の学生とオンライン交流、英語力がグンと伸びた
学生どうしで意見交換 アニメの話題も
「What’s your favorite Japanese foods?(好きな日本食は何ですか)」「それは、卓球の選手ですか?」
神奈川県立鎌倉高校。2年生が6月中旬、英語の授業を活用し、中国の大学で日本語を学ぶ学生たちと意見交換した。4人ずつの小グループに分かれディスカッション。最初はぎこちなかった生徒たちも画面越しに声を掛けるうち、緊張もしだいに解け、アニメや学校生活など文化や暮らしの話題で盛り上がった。
梅本伊吹樹(いぶき)さん(17)は「向こうの学生はアニメや漫画など若者文化に目がいくんだ!と驚いた。自分の国がどう見られているのか客観的に知ることができた」。大信田系成(おおしだけいせい)さん(16)は「自分が英語をしゃべるときも間違っていても大丈夫、と思えた」と笑顔で話した。
同好会で試験導入 1時間以上も話せた
コロナ禍に見舞われた昨年、鎌倉駅での外国人向けのボランティアガイドなど同好会「英語研究会」の活動や、オーストラリアの姉妹校を訪問する同校の計画も中止になった。
英語教諭の堀川晋太朗さん(36)は「英語を話したいという生徒の気持ちをつぶしたくない」と昨年7月、ネットで見つけたプログラムを同好会で試験的に導入した。月2回、イスラエルやフランスの学生と交流を重ねると、1時間以上英語で会話し続けられるほど生徒の英語力が向上。本年度から2年生の英語の授業でも実施することに。中国に加え、米国やスリランカなどの高校や大学などで日本語を学ぶ学生と交流する。
堀川さんは「グローバルな視点で物事を考え、自分で自由に選択できるようになること。プログラムを通じ、生徒は世界の常識を知ってほしい」と話す。
日本から出したい「第二のグレタさん」
プログラムは、堂原さんが昨年4月に立ち上げ今年法人化した企業「WTOC(World Tour from Our Classroom 教室から世界一周)」が提供している。学校の希望や時差に合わせ、団体が30カ国・100校以上のリストから相手校をマッチング。テーマの提案や当日の司会はスタッフが担う。コロナ禍で留学や海外での活動がしにくい状況もあり、1年余りで小学校から大学まで約20校が利用した。
堂原さんは幸福度の高い国々を回り「個性が尊重されない日本は取り残されている」と危機感を抱いた。「世界各国に友達ができ、日本との違いを知る機会を提供したい」とプログラムを作った。「目標は日本から第二のグレタ・トゥンベリさん(環境活動家)を出すこと。自由に発想し、社会課題の解決のために行動する子が出てきてほしい」
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