教室の換気を「見える化」 横浜市が市立学校の全クラスにCO2測定モニター

神谷円香 (2023年1月15日付 東京新聞朝刊)
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横浜市の市立学校に設置された、インターネット接続型の二酸化炭素濃度測定モニター(市提供)

 新型コロナウイルスなどの感染症対策として、横浜市はすべての市立学校の全クラスに二酸化炭素(CO2)の濃度を測定するモニターを設置した。室内の空気を「見える化」し、適切な換気につなげるのが狙い。各校で一部のモニターをインターネットに接続し、測定値をリアルタイムで公開している。市によると、全クラスに設置してデータを公表する取り組みは全国初となる。

全509校 測定値はリアルタイム公開 

 モニターは全509校の全クラスで棚の上や壁面などに設置し、児童・生徒が常に室内の空気の状況を意識するように促す。

 感染症を防ぐには適切な換気が有効で、CO2濃度は1000ppm以下が基準とされる。モニターは基準を超えるとアラーム音が鳴り、換気を促す仕組み。市の担当者は「冬は窓を開けすぎると寒い時もある。数値を見て、効率的な換気をしてもらえれば」と話す。独自に購入していた学校分を除き、10071台を新たに市が購入した。配送費などを含めた費用は約2億円。

 また、保護者らが換気の状況を把握できるよう、各校のモニターを4台ずつインターネットに接続し、データを「横浜市立学校 空気の見える化プロジェクト」のウェブサイトで公開している。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年1月15日

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  • キガネムシ says:

    私が言うまでもないことであるが、既にあちこちで「学校現場におけるコロナ対策の現状」が報告されている。横浜市だけでなく、文部科学省の担当者も良くご存じであろう。正直、学校でやれるコロナ対策に学校独自にやれることは殆ど無い。この記事にあるようなCO2濃度測定、ローター使用による空気の攪拌、エタノールによる消毒、職員室ではスチロール?による仕切り板の設置、そして期間限定ではあったが「リモート授業」「授業における生徒人数の半減」(つまり同じ内容の授業を同じ教員が複数回やるのである)が私の居た都道府県では実施された。

    政府がコロナを2類から5類へ「格下げ」する方向で動いているようだ。この流れに乗って、ここに上がった幾つかの対策を無くしてくれることをお願いする。(全てではないが)科学的根拠が曖昧で、際限のない対策が教員を圧迫していることを文科省は知るべきである。そして、本件に限らないが、思い付きで新しい仕事を下ろしてきたのなら、古くて時代遅れ、どうでもよくなっている仕事はキチンと通達を出して無くして欲しい(なぜか管理職が仕事を減らすことを嫌がるので)。

    他方「授業クラスの分割」について。これは有難かった。コロナ云々以前から、少人数教育の有用性を感じていた私にとって、確かに同じ内容の繰り返しはキツイものがあったが、それを補って余りある効果があったと、今でも思う。1クラスの人数は最大40人であったが、多過ぎる。もっと議論されるべき課題である。

    最後にこんなエピソードを。ある高校で勤務していた時、年度中に同僚の一人が産休に入った。当然、穴は埋めなければならないが、たまたま我々の担当教科と校長・教頭のそれが同じであった。管理職教員でも自ら申し出て授業をしてくれる人もいるのだが、この時は多忙を理由に断られた。穴の開いた授業クラスは二分し、私と他の同僚の一人がそれぞれ引き受けた。50人を超える講義にうんざりしたことを、思い出した次第。管理職は自分がヒラであった時のことを忘れてしまうようだ。

    キガネムシ 男性 50代
  • キガネムシ says:

    学校という組織の本質にかかわる話題なので、もう一言。
    最近「スクラップ&ビルド」という呪文が学校現場でも唱えられるようになった。意訳すれば「古いものを壊して新しいものと換えよ」だったかな?ところが愛着が強いのかしらないが、古いものが大事にされるのが学校である。新しいものが押し付けられる一方で、いつまで経っても「役目を終えたはずの」古いものも残っていく。流石は伝統が無批判に賞賛される学校である。もう雪掻きする気力も無い。いや、雪掻きそのものが許されないのだ。いくら掛け声が横文字でスマートに聞こえようとも、これでは一向に良くならない。加えて「我が校の『スクール・ポリシー』について考えよう」と校長が仰った。もう、好きにしてくれ。しかもその校長は異動でいなくなった。残された人は笑えないよ。

    キガネムシ 男性 50代
  • キガネムシ says:

    やってますねえ、横浜市(笑)。いや、笑い事ではない。またこれで一つ教員に仕事が課された訳だ。私が教員をやっていた都道府県も冬寒いので、なかなか換気をする気になれない。そこで、まず小さな扇風機様の機械が各教室に設置され、「状況に合わせて」使用することになった。次にここで話題になっている二酸化炭素濃度測定器である。ある濃度を超えると警告音?がなる仕組みになっていて、教室に40人入ると授業中に鳴り出したりして厄介だった。会議室にも置かれ、職員会議中に鳴り、管理職は間抜け面で「ほほう」と感心していた。担任は毎朝のようにこれらの機器の使用について注意を促すのだが、気が利く生徒なんて居やしない。結局適切な使用とやらは授業毎に教科担任に任される。加えて私の場合、掃除用具等の保守担当であったから、ローターの掃除(チョークの粉が飛んで汚れるのである)等を期末毎にお願いしていた(万が一汚いままの機器は私が掃除することもあった)。やれやれ。一つ仕事を増やしたら、減らす仕事も一つ通達して欲しかったよ。ねえ、教育委員会様、文部科学省様。業務の縮減なんて夢のまた夢だ。

    キガネムシ 男性 50代

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