フリースクールも居場所の選択肢に― 青梅の「レインボールーム」が移転に伴いクラウドファンティング実施

昆野夏子 (2024年3月29日付 東京新聞朝刊)
 あなたの居場所はここにあるよ-。東京都青梅市新町のフリースクール「RainbowRoom(レインボールーム)」には、学校に行きづらい子どもが通う。関係者は「居場所の選択肢の一つとしてフリースクールの存在を知ってほしい」と話す。クラウドファンディング(CF)を行い、子どもたちの実情を紹介している。
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「フリースクールの存在を知ってほしい」と話す松原さん(右)と副理事の佐藤愛さん=青梅市で

小学生から高校生まで 個々に合わせた活動

 同市のわかぐさ公園近くのマンション一室。カードゲームや地球儀、いすや机などが置かれたこの場所がレインボールームの“教室”だ。

 小学2年~高校1年の34人が通う。発達障害や自閉スペクトラム症、起立性調節障害など子どもの状況はさまざま。工作や実験、プログラミング、調理など、一人一人の発達状況に合わせた活動をしている。

 レインボールームを立ち上げたのは代表の松原陽子さん(44)。発達障害などがある次女(15)が小学3年のとき、うつ状態と診断された。常に付き添いが必要な中で、支援を受けようと市役所に行ったが窓口をたらい回しにされた。市の教育支援センターでも次女はなじめず、途方に暮れた。

 「自分で娘の居場所をつくろう」と、同じように障害のある子どもを育てる親らを誘い、2020年にフリースクールとして開設した。保護者のほか、看護師や保育士らスタッフ8人で運営する。

契約上の理由で移転が決定 保護者勉強会も

 松原さんは「ここに来る保護者はみんな疲れ果てている。公的な施設に行ってもうまく適応できないと、居場所がないと思って絶望してしまう」という。レインボールームでは子どもに合わせた個別支援を重視し、保護者向けの勉強会なども開催している。

 これまでは松原さんの自宅で運営していたが、契約上の理由で使えなくなったことから移転。引っ越し費用や運営費をCFで募っている。「フリースクールは運営側も保護者側も負担が大きい。まずは子どもを取り巻く現状を知ってほしい」と話す。詳細はCFサイトで。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2024年3月29日

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  • 匿名 says:

    フリースクールにも卒業証書を出せるようにして頂きたい。救われる人は多いと思う。逆に「一定時間数教室で座っていれば卒業できる」しくみはそろそろ見直した方が良い。歩いたり、車に乗ったり、自転車を漕いだり、バスに乗ったり、電車のつり革に掴まったり、あるいは船や飛行機もあるけれども、自分の目的地に行くために様々な選択肢があって然るべきだ。それが多様性の一つであって欲しいと考えるが。

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