子どもの脳はどう育つ?(7)知的好奇心 どうしたら伸びる?

滝靖之(東北大加齢医学研究所教授) (2018月5月16日付 東京新聞朝刊)

 皆さん、こんにちは。ここ数回にわたり、子どもの脳は生まれてからどのように発達し、いつ何を行うことが脳の発達にとってよいのかというお話をしてきました。

 今回はその中でも知的好奇心に焦点を当てたいと思います。前々回のお話で、1~2歳ごろから周りの世界に興味を持ち始めると書きましたが、重要な事は好奇心をいかに伸ばすかということです。

 子どもたちが小学校、中学校、その先へと進んで行くと、さまざまなことを学ぶ必要性が出てきます。その際にいろいろな事を見たい、知りたいという意欲を高めてあげると、勉強をつらいものと思わず楽しいものと感じられる機会が増えると思います。それが結果的に子どもたち一人一人の将来の夢の実現につながると考えています。

イラスト・伊藤亜美

 では、そのためにはどうしたらよいのでしょうか。私たちが教育に携わる先生方に伺ったところ、知的好奇心の伸ばし方にはこつがあることが見えてきました。それは、親が子どもに対して、仮想世界と現実世界を結びつける努力をする、ということです。

 例えば知的好奇心が伸びた家庭では、子どもが図鑑を見てもし新幹線に興味を抱いたら、できるだけ早いうちに駅や新幹線の車両基地などに連れて行き、本物を見せる-といった教育をした人が多いことが分かってきたのです。

 他の例でもいいのです。魚に興味を示したら水族館へ、チョウや花に関心を持ったら野山を訪ね体験させる-ということも素晴らしいと思います。結局、子どもに知的好奇心を抱かせるには親が知的好奇心を持つことが重要なのです。

 親が知的好奇心を持つとどうなるのでしょう。認知症のリスクが下がるんです。まさに一石二鳥ですね。

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