幼保無償化、外国人施設は対象外 財源は外国人も負担するのに… 「不公平」の声

(2019年9月30日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 幼児教育・保育の無償化が10月1日から始まった。3~5歳児は原則全世帯、0~2歳児は所得の低い住民税非課税世帯を対象に、認可保育所や幼稚園の利用料を無料にする。しかし、その対象から外国人学校に付属する幼保施設は外れる。無償化の財源となる消費税は在日外国人も等しく負担する。保護者や専門家は、外国人幼保施設を無償化しないのは「不公平だ」と訴えている。

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保育施設ではなく「各種学校」全国に88カ所

 幼保無償化は幼稚園や認可保育施設などに通う子どもが対象で、都道府県に「認可外保育施設」として届け出た施設も利用料が一定額補助される。外国人学校は法律上、これらとは別の「各種学校」に分類される。

 文部科学省国際課によると、2018年5月現在、各種学校の認可を受け、外国人児童を受け入れる幼保施設は88カ所。幼保部門を各種学校から切り離した一部施設を除き、大部分は無償化されない見通し。

 外国人幼保施設が無償化の対象になろうと認可外保育施設として届け出ても、自治体が取り消したり、受理を拒んだりする事例が明らかになっている。政府が「各種学校は認可外保育施設に当たらない」との見解を示しているからだ。

外国人学校に「認可外の廃止届け」出させる

 静岡県浜松市の「ムンド・デ・アレグリア学校」などブラジル人学校2校は、浜松市の求めに応じ、今年4月に認可外の廃止届けを出した。数年前に認可外施設届けを出して未就学児を受け入れてきた両校は、廃止届けにより無償化から外れた。

 浜松市幼児教育・保育課の山本卓司課長は「無償化制度から排除する目的で廃止届けを出させたのではなく、国の方針に従った」と本紙の取材に説明した。

認可外施設届け、いったん受理したのに…

 東京都荒川区の東京朝鮮第一初中級学校幼稚部は4月、無償化の準備として都保育支援課に認可外施設届けを提出した。東京都は一度は受理したが、5月になって受理印を押した書類の返却を求めた。同課担当者は「受理したのは認識不足だった」と本紙に話した。

 朝鮮学校幼稚園の保護者連絡会の宋恵淑(ソンヘスク)代表(43)は「国は認可外届けを取り消してまで、外国人幼稚園を無償化から外そうとしているようだ」と憤る。滋賀県立大の河かおる准教授は、認可外施設でなくなれば、都道府県の立ち入り調査も行われないことに触れ「届けの取り消しは子どもの安全を守る児童福祉法の趣旨に反する」と語った。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年9月30日

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