子育て女性にコロナ禍の負担が集中 会社員の休業率、男性の7倍 もともと偏っている家事育児…休校・休園で限界に

渥美龍太 (2020年7月19日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、子育て中の女性会社員の休業率が男性に比べ7倍に上ったことが、政府系シンクタンク労働政策研究・研修機構の周燕飛(しゅう・えんび)主任研究員の調査で分かった。女性はコロナの影響が直撃する飲食店などで働く比率が高いだけでなく、休校や休園に伴い子育て負担が女性に集中していることが休業を助長している。仕事自体を失う例も多い。

保育園休園で休業するしかなくなって→会社から「契約更新しない」

 「休まざるを得なかった」。東京都の建材メーカーで設計業務を担う契約社員の女性(35)は、コロナの影響で在宅勤務(テレワーク)で働いていたところ娘の通う保育園が4月から休園に入った。「2歳児(当時)なので目が離せなかった」。夫も不規則な仕事で、女性が休業するしかなくなった。6月から保育園が再開、子どもを預け仕事に復帰したが、半年の契約期限がくる7月末で「契約更新しない」と告げられた。

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「育児とテレワークの両立は難しかった」と語る契約社員の女性。契約は7月末で打ち切られる=千葉県松戸市で

 4年以上勤めた会社からの突然の通告。業績悪化が理由というが新人の募集は続けている。女性は「子どもの世話で休んだことが影響したのでは」と推測。「次は業種にこだわらず子育てに理解ある会社を探す。設計は大学の建築学科で学び、10年近く携わってきたので続けたいが…」と肩を落とす。

全体の休業率も女性が男性の3倍 テレワークや長時間労働是正で就業支援を

 コロナ下で休業を迫られる子育て中の女性が増えている。

 労働政策研究・研修機構の周主任研究員が会社員4307人(20~65歳未満)を対象に、4月から5月にかけての就業状況の変化を調べたところ、休業した人の割合は女性全般が5.3%で男性の3倍余りだった。

 中でも子ども(未成年)がいる女性の休業率は、7.1%に達し、同様の条件の男性が1%だったのに比べると大幅に高かった。

 もともと日本では家事や子育ての負担が女性に偏りがち。周氏は学校や保育園の休校の拡大で子どもの世話の時間が増え、「休業を選択せざるを得なくなった女性が多い」と分析する。

 仕事自体を失う例も。自ら離職した「自発的失業」や、離職後、求職活動しなかった「非労働力化」の割合の合計をみると、未成年の子どもがいる女性は合計2.2%と、全体(0.9%)の倍以上だった。

 周氏は「多くの女性がせっかく積み重ねてきたキャリアに深刻な影響が出る恐れがある。新型コロナで広がったテレワークの波にうまく乗れば、出産・子育て期を乗り越えて働き続ける女性が増えるはず。正社員の長時間労働を是正したり、テレワークしやすい環境を整えるなど、女性の就業を支援する政策が必要だ」と提言する。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年7月19日

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