〈パリ特派員の子育て通信〉「ピピ」覚えたけど…2日目で登園拒否!

竹田佳彦 (2018年10月16日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

パリ特派員の子育て通信

 2017年9月からフランスに駐在する東京新聞パリ支局の竹田佳彦記者(40)が、現地での子育てについてつづります。随時掲載。
写真 パリの幼稚園

娘が通うパリの幼稚園

 「ノン。行かない」。9月からフランス・パリの幼稚園に通い始めた娘は、登園2日目にしてストライキを宣言しました。まもなく3歳。初日、家を出る時は「もうおねえちゃんだから、幼稚園行くんだ~」と上機嫌だったのですが、想像していた生活とは違ったようです。

 フランスの子どもたちは、3歳からはほぼ全員幼稚園に通います。公立は無料で、入園の条件も特にありません。正確に言うと一つだけ、おむつが外れていること。1月、校長先生との面接でこう言い渡されました。「たまに失敗するのは仕方がないけれど、毎回はダメですよ」

 8月から始めたおむつ外しトレーニングは失敗の連続。膝に乗せて読み聞かせしていると、急に太ももが温かくなることも。それでも、娘は成功する度に「もうおトイレでできるから、園長先生が来てくださいって言う?」と私や妻に尋ね、自分で成長をかみしめていたようです。徐々に成功率は上がっていきました。あわせて教えたのが、おしっこの時は「ピピ」、うんちの時は「カカ」と伝えること。フランスの幼児語ですが、担任の先生に伝えるためには必須です。

 2週間もするとちゃんとトイレに行けるようになった娘は誇らしそうです。苦難のトレーニングの末、手にした入園資格。初日は意気揚々と登園し、教室では心待ちにしていたおもちゃで遊び始めました。楽しんでほしいと期待して引き揚げましたが、夕方迎えに行った妻によると、親の姿を見た子どもたちはみんな、一斉に泣きだしたそうです。

 同年代の子どもをもつ知人によると、入園初日は慣らしのために45分間だけという園も多いとのこと。初めからみっちりと朝から夕方まで日程が詰まっているとは、娘の通う園はなかなか厳しいところのようです。フランス語がほとんど分からない娘にはしんどかったことでしょう。

写真 駆け出す娘

入園2日目。幼稚園での1日がようやく終わり、上機嫌で走って帰宅する娘=パリ市内で

 昨年12月から通っていた地元の保育園は小規模で保育士も4、5人いましたが、今度の園は1クラス27人で先生は1人、1学年75人もいます。ストの理由を聞くと、「こわい。人がたくさん」と娘。急に同級生が増え、先生にはあまりかまってもらえなくなり、寂しさもあったのでしょう。

 ストの結果、私に抱っこされて登園すると、大泣きしながら教室入り口の柱にしがみついて入室を拒否した娘ですが、抵抗むなしく補助教員に連れていかれました。教室には同じように泣き叫ぶ子どもが何人も。そしてこの後、娘の毎朝のスト宣言は1週間続きました。

あなたへのおすすめ

PageTopへ