コロナ休校で臨時開所する民間学童、公的補助の対象外 「保護者に費用上乗せするしか…」軽減措置求める署名スタート

(2020年3月17日 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 新型コロナウイルス対策の休校に伴い、働く親やひとり親家庭などに配慮し、国が原則開所を求めている放課後児童クラブ(学童保育)。国は臨時開所に伴う費用を負担し、保護者に追加負担を求めない方針を示すが、NPOなどが運営し、公的補助を受けていない民間学童は対象から外されている。民間学童の運営者らは「施設は赤字になり、保護者に負担を上乗せせざるを得ない事態だ」と、国に軽減措置を求めるネット署名を始めた。

学童保育「CFAKids亀田校」で指導員や友達と遊ぶ子どもたち=東京都足立区で

都内8カ所運営のNPO「長期化すれば朝から通所増える」

 多くの小学校で休校が始まって3日目の今月4日。東京都足立区の学童保育「CFAKids亀田校」では、通常の開所時間より早い午後2時すぎ、児童約20人が思い思いに過ごしていた。読書やボードゲーム、少し広いスペースでは体を動かす遊びも。保育士資格などを持つ学童指導員ら4人が見守る。

 「1週目は仕事をやりくりして家で子どもの面倒を見る保護者もいましたが、長期化すれば、朝から通ってくる子はさらに増えると思います」。運営するNPO法人「Chance For All」の代表理事中山勇魚(いさな)さん(35)は話す。

 このNPOが同区や墨田区で運営する8カ所の学童保育も、休校を受けて午前7時半から開所。急な国の決定を受け、感染防止対策の消毒用アルコールやペーパータオルなどの備品を準備したり、指導員のシフトを調整したりして、何とか対応した。今後、開所時間の延長による人件費も手当てする必要がある。

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指導員がそれぞれの子どもがやりたいことに寄り添う

全国に1200カ所 待機児童や発達障害の子の受け皿にも

 保育所と比べ、学童保育は運営形態や規模などがまちまちだ。このNPOの学童保育は、面積も国基準を満たし、指導員も保育士や教員の資格を持つ正規職員。公立の学童に入れず待機児童になったり、発達障害などの理由で他の学童になじめなかったりする子も通う。だが「本当にニーズのある子をはじき出したくない」と、あえて親の就労状況などを点数化した入所選考をしないため、行政の補助を受けられていない。

 NPOによると、公的補助のない民間の学童保育は全国に約1200カ所あるといい、利用者は数千人に上るという。

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「休校で学童保育が注目されたことを機に、その重要性にも目を向けてほしい」と話す中山勇魚さん

保育料は通常でも公設の4倍 国に追加費用の支援を求めて

 「習い事や塾のように優劣をつけるのではなく、一人一人が成長できる生活の場としての学童にしたい」と中山さん。だが公的補助がなく、通常でも保育料は公設の4倍ほどの月額2万3000円。3月は朝から夜まで利用した場合、運営側が一部負担しても保護者負担は同4万5000円ほどに上る。

 国は児童福祉法に基づき設置されている施設への公的補助に加算する形で、臨時開所の追加費用を負担する。また、各家庭での民間ベビーシッター利用にも補助がある。中山さんは「一斉休校で負担を強いられ、親子を支えているのは民間学童も同じ。支援を求めたい」と話す。署名サイトは「change.org  なぜ民間学童保育所利用料だけ100%保護者負担?一斉休校によって発生した費用補助の対象に民間学童保育所の保護者も入れてください!」。1万筆を目指し国に提出する。

 

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