子どもの外遊び、白い目で見ないで…! 川崎市の「子ども夢パーク」密集避けつつ受け入れ継続 3児の母「30分でもストレス解消」

安田栄治 (2020年4月17日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 ぽかぽか陽気となった15日午後。川崎市高津区下作延にある市子ども夢パークに元気な声が響きわたった。タワーに上ったり、滑車付きロープにぶら下がったり。土山で水遊びをして泥んこになる姿も見られた。
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密集を避けながら、それぞれの遊びに夢中になる子どもたち=川崎市高津区の市子ども夢パークで

1~2メートルの間隔空け、会話も控えるよう指導

 同パークでは、敷地約1万平方メートルの大半を占める屋外で遊べる。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、利用する子どもや保護者に1、2メートルの間隔を空けて密集を避け、会話も控えるように指導している。サッカーなど球技を行うと夢中になるあまり接触したり、密集した中で声を出したりするため、ボールや遊び道具の貸し出し、持ち込みを禁止している。

 それでも子どもの権利を大切にする施設。子どもたちには「なぜ禁止なのか」を説明し、自分だけでなく、みんなの体を守るために何をすべきかを考えさせている。

 午後2時をすぎると少しずつ人数は増え、一時は50人以上の子どもたちがそれぞれの遊びに夢中になった。

所長「緊急事態だからこそ、大切なことを学んで」

 西野博之所長(60)は「外出自粛要請が出て子どもたちの数はかなり減りました。でも、緊急事態の時だからこそ大切なことを学ばせたい」と受け入れを続け、平日は平均で7、80人の子どもが訪れている。

 各区にある「子ども文化センター」などの施設が閉館となり、子どもたちの居場所は激変した。自宅に子どもとその面倒を見る母親。在宅勤務の父親がいるケースも。

 訪れる母親から「思わず子どもに手を出しそうになった」という声をよく聞くという西野所長。親子関係が息詰まっている家庭は多いと心配する。

「居場所ないと家庭崩壊」 親子の最後のとりでに

 市の担当者と連絡を取りながら開場を続ける理由を「子どもを外で遊ばせたら近所の人に白い目で見られるから怖いという親もいる。『ここなら大丈夫だよ』『居場所はあるんだよ』というメッセージを送り続けないと家庭が崩壊する」と語った。

 3人の子どもを連れて同パークを毎日訪れている同区の主婦川瀬早紀子さん(42)は「子どもは1日中家にいることはできない。30分でもいいからここで遊ばせるとストレスが少しは解消される。それが家庭にとって大きいんです」と走り回る姿に目を細めた。

 西野所長は、子どもたちが、してよいこと、悪いことを考えながら、気に入る遊びを見つけているという。「本当に困っている親子のために、ここを最後のとりでとして守っていきたい」と言葉に力を込めた。

川崎市子ども夢パーク

 「川崎市子どもの権利に関する条例」の理念を基に2003年7月開設。子どもが自分の責任で自由に遊び、学び、つくり続け、ありのままでいられる場とされ、活動の拠点となる施設に全天候型スポーツ広場や音楽スタジオなどがある。当面の開場時間は午前9時~午後6時。毎月第3火曜日は休み。問い合わせは同パーク=電044(811)2001=へ。

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