子どものコロナ休校で仕事を休んだ人は、助成金を個人申請できます 過去分もOK、期限は6月末

(2021年5月17日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

図解 小学校休業等対応助成金の個人申請

 新型コロナウイルス禍による休校に伴い、仕事を休んだ保護者の収入を補償する制度「小学校休業等対応助成金」。3月下旬から運用が変わり、勤務先の企業を通さず、個人で申請ができるようになった。企業が利用に消極的で、保護者が支援を受けられないケースが相次いだためだ。政府が全国一斉休校を打ち出した昨年2月27日以降の休業までさかのぼって申請でき、6月末まで受け付けている。 

企業が申請を渋るため、制度変更

 助成金の対象は、小学校が休校になった、保育所などから利用を控えるよう言われた、子どもに感染が疑われる症状が出た―などの理由で仕事を休んだ保護者。制度は、子どもの世話で休んだ従業員に有給の特別休暇を取得させた企業を助成しようと、昨年3月に創設された。しかし、1700億円の予算のうち、使われたのは3割程度。業務への影響や手続きの煩雑さなどから、企業側の申請が進まなかったためだ。

 小学2年の息子を育てながら契約社員として働く札幌市内の30代女性は、昨年の一斉休校の影響で、仕事を2カ月ほど休まざるを得なかった。ニュースで助成金制度を知り、勤務先に問い合わせたが「子どもがおらず出勤している人もいて、不公平感がある」として申請してもらえなかったという。

 「使いにくい」という批判を受け、厚生労働省は今年3月下旬、保護者個人が直接請求できるよう運用方法を改めた。現在、申請の手続きを進めている女性は「収入が減って貯金を取り崩していた。制度自体を知らない保護者も多いのではないか」と話す。

昨年4月~今年3月は1日11000円

 個人申請の流れは、こうだ。まずは、保護者が国の出先機関である各地の労働局の特別相談窓口に相談。労働局は相談を踏まえ、勤務先の企業に助成金の活用を働き掛ける。応じれば、企業が申請。応じない場合は保護者が労働局に直接申請する。助成の決定に必要な休業事実の確認などは労働局が担う。名古屋市の社会保険労務士、木村省吾さん(54)は「制度の利用に強制力はなく、これまでは企業の自主性に任せられていた。労働局が間に入り、企業に働き掛ける仕組みができたのがポイント」と話す。

 ただ個人で申請することになった場合、休業した時期によって申請の仕組みが異なるなど制度は複雑だ。昨年2月27日~3月31日の休業分は、「小学校休業等対応助成金」の枠組みで1日当たり最大8330円を助成。一方、昨年4月1日~今年3月31日の休業分は「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」という別の制度の仕組みを使い、1日の助成額も最大1万1000円となる。

不明点は管轄の労働局に相談しよう

 休業支援金は、勤め先が中小企業か大企業かで申請できる雇用形態や期間が異なる。大企業の場合、対象となるのは、シフト制、日雇い、登録型派遣といった非正規雇用の従業員だけ。加えて、昨年7月1日から今年1月7日は申請対象外だ。ただし愛知、岐阜、長野、静岡、東京など昨年11月7日以降に時短を要請した19都道府県は、その開始日以降の休業も含む。

 分からない点があれば、管轄の労働局に相談することが申請の第一歩だ。厚労省によると、制度を使うには6月末までに申請書類を提出する必要があるため、早めに相談したい。

 木村さんは、労働局に相談する前に、子どもの学校が休校した時期や会社を休んだ時期、勤務先に制度の利用を申し出たときの対応など、事実関係を整理してメモにすることを勧める。「自分の状況を担当者にスムーズに伝えられ、その後の手続きも進みやすい」と話す。

 申請方法などは、厚労省のサイトで説明している。都道府県労働局が設置している特別相談窓口が一覧できるPDFもある。

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