多様性を伝える絵本「みんな わんわん」復刊 作者の内田かずひろさん、ホームレス生活から再起

小松田健一 (2021年6月1日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
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復刊する絵本「みんな わんわん」について話す作者の内田かずひろさん

 今冬のホームレス経験からの再起を目指している、漫画家の内田かずひろさん(56)が11年前に発表し、絶版となっていた「みんな わんわん」が復刊を果たした。ページをめくる度に、さまざまな種類の犬たちが登場し、多様性の尊重を訴える作品だ。復刊を記念したオリジナルグッズも発売された。

2014年に絶版 今年2月の個展で注目

 「みんな わんわん」は、内田さんの初めてのオリジナル絵本。2010年に書き下ろし作品として出版したが、2014年に当時の出版元が倒産し、絶版となっていた。

 デビュー作の「シロと歩けば」や代表作「ロダンのココロ」で犬を主人公にした内田さんは、以前からの犬好きという。飼った経験はないが「犬は常に人間のそばにいるのがいい」と話す。

 ホームレスを体験し、生活保護申請も断念した直後の今年2月に新宿区内で開いた個展が報じられ、活動再開を知った出版社「好学社」(港区)から復刊のオファーがあった。「自分が好きな絵本を数多く出している出版社で、うれしかった」と話す。

チワワもセントバーナードも犬だから

 絵本は主人公の犬「シロ」が、散歩先で出会う別の犬のシルエットを描く。「ぼくよりモコモコなのはだあれ?」「ぼくとにているのはだあれ?」などと問い掛け、ページをめくるとさまざまな犬種の犬が現れるテンポ良い構成。字が読めない幼児でも、種類によって大きさや姿が違うことを楽しみながら学べるよう工夫している。

 シロは「シロと歩けば」に登場する犬。絵本にはこのほか「ロダンのココロ」の主人公、ロダンが姿を見せる。内田さんは「大きさが全く違うチワワとセントバーナードが同じ種であるように、犬は多様性を象徴する動物」と、絵本を通じて子どもたちに自分とは異なる存在があることを知ってほしいと願っている。価格は1200円(税別)。

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登場する犬があしらわれたTシャツ=いずれも杉並区で

 復刊を記念し、内田さんの知人が作品とコラボレーションして作ったTシャツを6月12日までの期間限定でネット販売する。絵本に登場する犬の刺しゅうを胸元にあしらったデザインだ。男女兼用で、価格は税込み3960円(別途送料500円)。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年6月1日

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