10歳までは読み聞かせが望ましい 児童文学者が「浦和絵本大学」で説く、本の選び方と親子関係

前田朋子 (2022年5月11日付 東京新聞朝刊)
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講座後、絵本選びの参考書や「ちいさいおうち」などの絵本を手にする受講者ら

 児童文学者の斎藤惇夫さん(81)が絵本について語る公開講座「浦和絵本大学」が10日、さいたま市浦和区の浦和諸聖徒教会礼拝堂で開講した。今年で20年目。絵本の選び方、読み方を通して親と子の在り方などを学ぶ講座は毎年人気で、この日も親子連れや家庭文庫の主宰者ら70人ほどが参加した。

読書の自立を急がせると、本離れに

 斎藤さんは福音館書店(東京)の元編集者で、自身も「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」などの著作がある。浦和諸聖徒教会の信徒でもあり、講座は司祭の依頼で始まった。今期の講座は「昔話の絵本について」「近代絵本の始まり」など来年2月まで計9回、約50冊を取り上げる予定だ。

 初回のこの日は、子どもの成長になぜ絵本が欠かせないのかといった斎藤さんの考えを説明。「くまのパディントン」などの翻訳がある松岡享子さんから聞いた「3代続かなければ絵本とはいえない」などの言葉を引き、長く読み継がれる良書を選ぶ親の責任にも触れた。

 また、字が読めるようになっても10歳までは読み聞かせが望ましく「読書の自立を急がせると結局は本離れ、活字離れを招く」と強調。同時に「大人が忘れかけている一番大切なものに、子どもの力を借りてもう一度行くことにもなる」として、読み聞かせは大人にとっても重要だと説いた。

冒険意欲と安心感を与える絵本は?

 教会付属で斎藤さんが園長の麗和幼稚園に長男(4つ)を通わせる会社員の池谷真耶さん(43)は、生後5カ月の長女を抱いて参加した。本好きの長男に与える本をどう選べばいいか悩んでいたといい、「物語に興味が出てきたので『(主人公が冒険に)行って(家に)帰る』話が冒険意欲と安心感を与えると知り、参考になった」と話した。

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絵本選びの参考書を示す斎藤さん=いずれもさいたま市浦和区で

 斎藤さんは、コロナ禍で家に閉じ込められ、動画サイトなどにかじりつく子どもが増えている現状を危惧する。「園でもテレビや動画サイトのまねをする子が増えているが、それだけでは遊びの向こうに広がる世界に気付かない。自分で乗り越えるべき経験を、絵本を通じて味わってほしい」と話した。

 講座は参加無料。次回は6月7日午前10時~11時半。予約不要。問い合わせは麗和幼稚園=電話048(822)4594=で受け付けている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年5月11日

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