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ケニアの障害児に居場所をつくろう 小児科医・公文和子さんが「シロアムの園」への寄付呼びかけ

 アフリカ・ケニアに4年前、障害のある子のための療育施設「シロアムの園」ができました。施設をつくったのは、小児科医の公文(くもん)和子さん(50)。「行き場がなく家の中にいるしかなかった子どもたちの居場所をつくり、障害児と家族を支えたい」と現地で働く公文さんが今月、一時帰国して活動の様子を語りました。これまで借りていた施設を出なければいけなくなり、新施設をつくるための支援を日本の人たちにも呼びかけています。
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障害のある子どもたちとその家族を支援する「シロアムの園」代表の公文和子さん(左から4人目)

家に閉じ込められて過ごす障害児も…「家族も含め支えたい」

 ケニアの首都ナイロビ郊外にある「シロアムの園」には現在、障害児約40人が在籍しています。2015年1月の開設以来、85人の子どもを受け入れてきました。年齢は1歳から12歳の子がほとんど。ただ入ることができず、36人の子が利用を待っている状態だということです。

 ケニアでは、出産時の低酸素症や新生児の時に黄疸(おうだん)治療がしっかりとできなかったために脳性まひになるなど、医療体制の整った日本であれば防ぐことができる疾患による障害がある子どもが少なくありません。障害児を受け入れる学校やそうした子を育てる家庭を支える社会保障もほとんどなく、中には家に閉じ込められて過ごすような障害児もいます。

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少年の手を取って遊ぶ公文和子さん

 医師として発展途上国の支援にかかわってきた公文さんは、こうしたケニアの状況を知り、シロアムの園をつくることに。日本の企業や団体に呼びかけて集まった寄付金で、設立費や運営費のほとんどをまかなってきました。

 スタッフは公文さんのほか、教師や理学療法士、作業療法士など16人。一人一人の状況に合わせて目標を設定し、個別のリハビリとクラス活動により、成長を支援しています。障害児を育てる親向けのプログラムもあり、子どもとのより良い関わり方を伝えています。

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ケニアの障害のある子どもたちに対して、一人一人のニーズに合った、質の高い教育や医療の提供を目指す「シロアムの園」

その子に合った支援で、日常生活の質が上がる

 公文さんによると、「シロアムの園」で過ごすうちに、子どもたちには良い変化が見られるようになるそうです。脳性まひの子は、寝ていただけの家での生活から、ベッドに体を起こして手足を動かすようになることで、視覚からの刺激が増え、読書などの活動ができるようになり、誤嚥(ごえん)も減ります。

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体が不自由な子も、きちんと支えれば座ることができ、活動の幅が広がる

 1日に何度もけいれんを繰り返すような子も、薬でコントロールすれば、食事がしっかり取れるようになるなど、日常生活の質が上がります。知的障害のある子も、適切にコミュニケーションを促すことで、驚きや関心などの反応が見られるようになり、親子関係も改善されます。公文さんは「障害児一人一人に個別の目標を設定して成長を促すことで、その子や家族の生き方を支援したい」と話しています。

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シロアムの園では、お母さんも交えて遊ぶ。キラキラのクリスマスツリーをじっと眺めるグレースちゃん

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クリスマス発表会に向けた楽器の練習。大きなドラム、手に結ぶ鈴、ペットボトルのマラカスなど、楽器は全て手作り

 現在の施設は3LDKの家を借りていますが、契約更新ができないため、5月には近隣の土地購入に踏み切ります。購入にかかる費用は、日本円にして約2300万円。そのうち、1050万円が足りず、インターネットのクラウドファンディング「Ready for」と、直接寄付で支援を募っています。

 「Ready for」の目標額は700万円で、3月26日まで。

 直接寄付の振込先は、ゆうちょ銀行です。ゆうちょ銀行への寄付は常時受け付けています。

口座名:「シロアムの園」を支える会
店番:019
預金種目:当座
口座番号:0665132(00190-3-665132)

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2015年にケニアの障害児療育施設「シロアムの園」を設立した公文和子さん㊨