国立市が子ども食堂マップ作製 外出自粛で遠のいた子どもが戻ってくるきっかけに

竹谷直子 (2020年6月11日付 東京新聞朝刊)
 国立市は、市内の子ども食堂の情報をまとめたマップを初めて作製した。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の期間中、食堂が休止したり、外出自粛の影響で子どもの足が遠のいたりしたことから、学校再開に合わせて企画した。担当者は「子どもたちの笑顔が街に戻ってくるきっかけにしたい」と話す。
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国立市内の子ども食堂を紹介しているマップ(同市提供)

市内8カ所の情報掲載 全小中学生に配布

 実績のある市内8カ所の子ども食堂をマップに掲載し、それぞれの開設日時も紹介している。学校を通じて市内の全小中学生に配ったほか、近く公民館や図書館にも置いて周知を図る。
 
 掲載された8カ所のうちの一つで、JR国立駅近くの海鮮丼と天丼の店「深川つり舟」(国立市東1)は、2017年から子ども食堂を始めた。銀座のすし店などで修業を積んだ店長の湊実さん(71)が腕を振るい、ネギトロ丼やサーモン丼、鶏の唐揚げのセットなど7種類を無料で振る舞っている。
 
 緊急事態宣言中も子ども食堂を開設したが、5月に来店したのは1組だけだったという。湊さんは「外出自粛の影響だろうが、子どもたちは大丈夫だろうか」と心配を募らせた。
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子どもたちからのメッセージが書かれたノートを手に「食べに来てほしい」と話す湊さん(右)と妻の由紀江さん=国立市の「つり舟」で

「貧困の問題深刻。お腹いっぱいにしてあげたい」

 新型コロナの影響で4月の売り上げが7割減るなど店の経営も厳しいが、学校が再開されて少しずつ顔を出す子も増え、「貧困の問題は深刻になっていると感じる。困っている子をおなかいっぱいにしてあげたい」と休まず続ける考えだ。新たに弁当の提供も始め、「ぜひ来てほしい」と呼び掛けている。
 
 国立市は7、8月も、内容を更新してマップを配布する。活動支援のため、希望する店に最大26万円を支給する制度も用意した。問い合わせは、国立市児童・青少年係=電話042(576)2111(内線198)=へ。
 
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