千葉県の中央児童相談所が移転し、一時保護の定員が倍増 児童虐待への対応強化

一時保護された子どもたちが利用する4人部屋=千葉市稲毛区で
1人当たりの面積が2倍に 多目的室も併設
千葉県児童家庭課によると、中央児相の従来の建物は1972年建設。老朽化が進み、職員の増員で手狭になったことから、1981年に建てられた旧青少年女性会館に移転することになった。改修費用は約16億4000万円。

旧青少年女性会館を改修した千葉県中央児童相談所と千葉県警少年センターの新庁舎=千葉市稲毛区で
新たな施設は鉄筋コンクリート造一部鉄骨造の地上5階地下1階建てで、少年センターを含めた延べ床面積は約5000平方メートル。
新施設だけでの一時保護所の定員は30人。男女別の4人部屋や2人部屋、未就学児向けの5人部屋が計8室あり、1人当たりの面積は従来の居室の約2倍。このほか、一時保護児童の運動などに活用する「多目的室」を併設。24時間対応の児童相談所虐待対応ダイヤル「189」の電話相談室も設置している。

子どもたちが運動したり、職員の研修にも使われる多目的室
心愛さん虐待死事件の後、定員超過の傾向
児童家庭課によると、千葉県が管轄する6児相(千葉市児相は除く)の一時保護児童数は1日現在で180人で、定員の115人を大きく上回っている。野田市の小学4年栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が虐待死した事件が発生した2019年以降、人口の多い地域を管轄する中央、市川、柏の2児相で定員を超過する傾向が続いている。
中央児相では2019年度、児童虐待に関する相談や通報が2589件寄せられ、一時保護所には定員25人に対し、42人が入所している。
児童家庭課の山本俊明児童相談所改革室長は、中央児相について「これまでは部屋数が少なく、面談や会議の日程調整に時間がかかっていた。円滑な運営を進め、児童虐待防止に全力で取り組んでいきたい」と話した。
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