コロナ閉鎖でマチュピチュに足止めされた片山さん、ペルーに恩返し「子どもたちにクリスマスプレゼントを」

(2021年11月17日付 東京新聞朝刊)
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ペルーの子どもたちからもらった絵を持つ片山慈英士さん。着ているパーカの売り上げをプロジェクトの資金に充てる=板橋区で

 南米ペルーを昨年に訪れた際、新型コロナウイルスの感染拡大防止策で7カ月間、足止めされたボクシングトレーナーの片山慈英士(かたやま じぇしー)さん(27)=東京都板橋区在住=が、現地の子どもにクリスマスプレゼントを贈ろうと、資金作りのために今年10月からオリジナルパーカーを販売している。一時は深刻な感染拡大に見舞われたペルー。「明るいニュースを届けたい」と話す。

子どもにボクシング指導 村の観光大使に

 世界一のボクシングジム開設を目指して各国のジムを巡っていた片山さんは昨年3月、世界遺産の遺跡があるペルーのマチュピチュ村を訪れた。直後に感染拡大で国家緊急事態令が発令。遺跡などが閉鎖され、観光できなくなった代わりに毎日、地元の子どもたちにボクシングを教えた。

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マチュピチュ村でボクシングを教えた子どもたちと片山さん(上列左から2人目)=本人提供

 その様子が現地の新聞で取り上げられ、国民から「観光させてあげて」と声が上がった。遺跡の独占観光が実現。親交を深める中で、村の観光大使に任命された。昨年11月の帰国後は村の魅力をイベントなどでPRしていた。

コロナ死が人口あたり最多「何かしたい」

 一方、片山さんは今年5月、ペルーのコロナ死者数が18万人に上り、人口あたりで世界最多となったことを知った。「何かできないか」。夏からペルー大使館などと相談を重ね、恩返しの「サンタプロジェクト」がまとまった。

 パーカーは、ペルーに多く生息するアルパカがマチュピチュでボクシングをするかわいらしい図柄で、知人のデザイナーと相談して作った。黒色と白色が基調の2種類ある。1着1万2300円で、代金の約7000円分が活動資金に回る。

 プロジェクトでは片山さんがクリスマスにサンタクロースとなって村を訪れ、子ども300人に同じデザインのTシャツや文具を、全村人2000人にマスクを贈る。村と友好都市を結ぶ福島県大玉村なども支援している。

27日からペルー映画祭 取り組みを紹介

 「村の子どもたちは人懐っこかった。サンタが自分だと分かったら、どんな表情になるだろう」。プロジェクトは来年以降も続ける考えで「ペルーや南米に関心を持つ人を増やせたら」と期待する。

 27日、新宿区のミニシアター「K’s cinema」で開かれる「ペルー映画祭」で、片山さんが取り組みを紹介する。パーカーは専用サイト「MACHUPICCHU SANTA PROJECT」で購入できる。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年11月17日

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