「ひとりじゃ育てられない」若くして妊娠し、苦悩する少女たち ベルギーの名匠が描く映画「そして彼女たちは」

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映画「そして彼女たちは」の一場面。ⓒLes Films du Fleuve – Archipel 35 – The Reunion – France 2 Cinéma – Be Tv & Orange – Proximus – RTBF (Télévision belge) / PhotoⓒChristine Plenus

 若くして妊娠した少女たちの苦悩を描く映画「そして彼女たちは」が、東京・渋谷のBunkamuraル・シネマなどで公開されている。名匠として名をはせてきたベルギー出身のジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督の作品。貧困や孤独、不安の中で活路を見いだそうとする少女たちの姿が印象的だ。

ひとりひとり異なる存在 かけがえのない姿

 ベルギーの母子支援施設で生活する少女5人。家族などとのつながりを絶たれ、頼ることができる人もほとんどいない。出産を控えたジェシカは、かつて自分を養子に出した母の顔を知らない。会いたいが、かなわずにいる。赤ん坊を抱えるペルラはパートナーから次第に避けられる。アリアンヌは、赤ん坊を自力で育てられず養子に出そうとするが、母の抵抗に遭う。ナイマは、赤ん坊を養子に出すつもりだったが、育てる決心を固める。ジュリーは、パートナーと新居の内見に来て、審査に通ったが、その夜、再び薬物に手を出してしまう…。

 張り詰めた少女たちの内面が刻一刻と移り変わり「ひとりじゃ育てられない」との言葉が胸を打つ。監督は「彼女たちを結びつけているのは、貧困という社会的条件と結びついた若年での母親経験、そして情緒的ケアを受けられなかったという背景。彼女たちが抜け出そうとしているのは、そうした境遇が連鎖していく状況」と説明し「ひとりひとり異なる存在として立ち上がり、かけがえのない姿を見せていく」と語る。

 監督は「ロゼッタ」(1999)「ある子供」(2005)でカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞。「そして彼女たちは」は、昨年のカンヌ国際映画祭で脚本賞などを受賞している。

こども家庭庁 相談窓口の検索サイト開設

 「思いがけない妊娠」に悩む女性は多い。こども家庭庁は3月、全国の相談窓口を検索できる「思いがけない妊娠の相談窓口サイト」を開設した。

 同庁は「子どもの虐待死亡事例のうち、約6割がゼロ歳児で、中でも生後0日や1カ月以内の死亡事例が高い割合を占める。事例の多くが、思いがけない妊娠等によって、どうしてよいか分からず、適切な相談窓口につながることができなかったことによるものと考えられる」としており、対策に力を入れている。

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