双子や三つ子、育児の苦労も2倍3倍 多胎児の母親グループが冊子作り、アンケート呼び掛け
中村真暁 (2019年5月26日付 東京新聞朝刊)
双子や三つ子の多胎児家庭に必要な情報を届けようと、主に都内で活動している多胎児の母親グループ「ツインズエイド」は、多胎児家庭向けの冊子作りを進めている。多胎児の親が対象のネットアンケートを6月12日まで行っているほか、7月には多胎児の妊娠家庭を対象に「プレファミリー教室」を東京都北区で開き、寄せられた声を編集にも生かす。
睡眠1時間の日も 忙しくて洗濯できず、肌着は30枚以上
3歳の双子を持つ代表の稲垣智衣(ともい)さん(40)は、双子ならではの育児の大変さを実感してきた。授乳やおむつ替え、入浴や食事は常に2人分。睡眠時間は1日1時間のこともあり、体力的にも精神的にも追い詰められた。
双子育児は必要な物も違った。例えば肌着は「忙しくて洗濯すらできない」と、5枚程度とされる1人分よりはるかに多い30枚以上を2人に使った。「正しい情報は不足しがちで、必要以上に不安をあおるネット記事も。妊娠中から必要な情報を伝えられれば」と、思いを強めてきた。
「経験を忘れていない今、伝えたい」冊子は年度内に完成
多胎児家庭のサークルを昨年3月に東京都北区で立ち上げ、秋にはツインズエイドの前身グループで必要な情報を届ける「教室」も初めて開いた。孤立しがちな母親らの状況もさらに見えるように。「妊娠、出産後の経験を忘れていない今だからこそ、伝えられることがある」と、冊子制作に取り組み始めた。
教室やその後の取材で母親らの不安を聞き、専門的な知識や社会的資源の情報を盛り込んで、冊子は本年度中にも完成させる。初めての外出先や時期などにも触れて「少しでも孤立を防ぎたい。先輩たちの生の声から、明るく未来を紹介したい」と力を込める。
愛知の三つ子家庭の虐待死事件「ひとごとではない」
3月には、愛知県内で三つ子の一人を虐待死させたとする母親が実刑判決を受けた。「ひとごとではないと感じた。多胎児家庭の置かれる状況はまだまだ知られず、課題や不安を明らかにし、社会に広く訴え、社会的支援からこぼれ落ちる人をなくしたい」と思いを強める。
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