わが子も双子…支援は届かなかった 小池都知事の「多胎児育児支援」発言に思う〈傍聴記〉
岡本太 (2019年12月11日付 東京新聞朝刊)
1歳になるまで、妻は2時間以上寝られなかった
「双子が交互に起きて寝られない。トイレの時間もままならない。そんな切実な声を聞いた」。10日の東京都議会の代表質問で小池百合子知事の発言を聞き、あの眠れぬ日々を思い出した。
6年前に生まれた最初の子が双子だったからだ。わが家の男の子2人は同時に起き、泣き叫ぶタイプだった。
疲れて眠るまで夫婦で子どもを抱っこし、公園を歩いた。妻は子どもが1歳になるまで2時間以上続けて寝られることはなかった。
相談に出向く余裕もなし 都は有効な支援策を
「子育て支援策が多胎児世帯に届くようにしないといけない」。小池知事はこうも述べた。あの頃、私たち夫婦に、区役所や支援センターに相談に出向く余裕はなかった。役立つ支援があったかもしれないが、つながることはなかった。担当の支援員が月に1度、家庭訪問してくれるだけでも状況は違ったかも、と思う。
眠れず、子育てに悩みながら、誰にも相談できない。そんな多胎児世帯は今も少なくないはずだ。都には区市町村とともに、より有効な支援策を実現してほしい。
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