虐待受けた子どもに居場所 千葉市のNPOが女性専用の自立援助ホームを開設 大学生と高校生対象
「心も体も満たされるような場所に」
かぜまちの家は木造2階建てで、1階は台所や居間、2階は勉強机やベッドを備えた6畳の個室が6室。公衆無線LAN「Wi-Fi」を完備する。朝、晩の食事の提供のほか、昼間を学校で過ごす子どもに弁当を作って持たせることもある。廊下が広く天井の高い開放感のある設計で、「物があふれているとストレスになる」と収納スペースを広く確保した。
現在は高校生6人が入所。子どもたちは洗濯や掃除を自分で行う。入所時は硬い表情も見られたが、最近は子ども同士の会話も弾むようになっているという。柏原美津子施設長は「子どもたちにとって、心も体も満たされるような場所になってほしい」と願う。
同法人は2013年に設立。翌年から、虐待や貧困などで居場所を失った子どもを一時的に受け入れるシェルター「はるつげ荘」を運営している。
児童虐待の相談が速報値で過去最多 「行政は運営費の支援を」
虐待を受けた子どもの支援の必要性が高まる中、受け皿となる施設の確保が課題となっている。
千葉県と千葉市が管轄する児童相談所で昨年度に対応した児童虐待に関する相談件数は、速報値で1万1614件(前年度比899件増)で過去最多となった。
虐待を受けた子どもは、主に児童相談所が保護し、行政が運営する一時保護所に入った後、児童養護施設に行くことが多い。ただ、養護施設の入所は原則18歳までで、親を頼ることができない退所後の18、19歳の子どもが生活困窮に陥るケースもある。
自立援助ホームは、原則として15~20歳までが対象で居場所のない子どもの受け皿となっている。県によると、今年4月時点で県内のホームは18カ所で、このうち5カ所が定員に達している。「帆希」理事の村山直(すなお)弁護士(35)は「増設が必要だが、職員の給料が低く人を集めるのも大変。行政には運営費の手厚い支援をしてほしい」と求める。
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