「子どもたちのサンタになって」困窮世帯にクリスマスプレゼントを 世田谷の住民有志が寄付募集中
図書カードを380人の子どもたちに
サンタプロジェクトは、困窮世帯に食料品などを無償で配布するフードパントリーに取り組む「せたがやこどもフードパントリー」に関わっていた区内在住の社会福祉士鈴木佑輔さん(43)が新型コロナウイルス禍の2020年秋に発案。同年末から子どもたちにクリスマスプレゼントを届けようと続けてきた。利用者からは「子どもが欲しがっていたプレゼントを渡せて良かった」などの声が寄せられてきた。
「せっかくなら支援する側も楽しく」がコンセプト。今回のチャリティーイベントは「三茶(さんちゃ)にサンタがやってくる」と銘打ち、サンタ姿で貸し切り電車に乗って車窓から手を振ったり、三軒茶屋駅周辺を練り歩いたりして街の人と交流しながら寄付を集める。
イベント経費を除く参加料と集まった寄付などを原資に、今年はフードパントリーに登録している約210世帯、約380人の子どもに2000円分の図書カードとして配布する予定だ。
世田谷区が推計 「生活困難層」の子どもは1万2000人
せたがやこどもフードパントリーが活動を始めたのもコロナ禍の2020年4月。現在は原則月1回、区内4カ所で困窮家庭を対象に、米や野菜、菓子などを無償で配布している。
世田谷区の子どもの生活実態調査(2018年度)では、低所得や子どもの体験などが経済的な理由でできない「生活困難層」の子どもの割合は小学5年生で11.7%、中学2年生で13.9%で、区内全体では17歳以下の約1万2000人と推計している。この1年ほどは物価高が家計を直撃し、状況はさらに悪化しているとみられる。登録世帯の約7割がひとり親で「電気とガスが止まった」などと切実な声が届く。
フードパントリーを運営する実行委員会の津田知子共同代表(47)は「生活に困っていることを知られたくないと、支援につながらない人はまだいる。一見して困窮状態が分からない人が多く、問題に気づきにくい」と訴える。
12月3日「三茶にサンタがやってくる」
チャリティーイベントは12月3日午後1~4時、先着70人。参加費は乗車料込み2000円(サンタの衣装は各自で用意)。未使用のおもちゃなどを提供する「世田谷プレゼントバンク」は12月10日まで受け付ける。申し込みや寄付の振込先などは「せたがやサンタプロジェクト」のホームページへ。
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