精神疾患を持つ女性が安心して妊娠・出産できるよう、研究費の寄付を 千葉大病院の医師らが呼び掛け

鈴木みのり (2022年2月26日付 東京新聞朝刊)

赤ちゃんと母親の手の写真

 精神疾患のある妊婦やその家族の支援の方法を検証するため、千葉大病院の医師らが調査研究を進めている。資金をインターネットで広く集めるため、クラウドファンディングを実施している。

薬の服用など安全性評価のデータ不足

 研究メンバーは千葉大病院精神神経科の特任准教授の橋本佐医師ら約20人。日本精神神経学会などによると、精神科の薬の多くは医師の判断のもと、飲み方などを工夫することで妊娠中や授乳中も内服することができる。一方、医師の判断で服用を中止し、病状が悪化する事例も少なくなく、長期入院によって育児に関われない人もいるという。

 橋本医師は「妊産婦や赤ちゃんの安全性評価に必要な質の高いデータによる研究結果が不足しており、医者は不安を抱えている」と話す。現在、メンバーは精神疾患のある妊婦やその夫、出産した子どもなどを対象にアンケートを行い、妊娠中から出産後の患者の症状の経過を調べている。

 クラウドファンディングは3月24日午後11時までで、最終目標額は1000万円。橋本さんは「調査をすることで、医師も妊婦も安心できる情報を届けたい」と協力を呼び掛ける。寄付はクラウドファンディングサイト「READYFOR」で受け付けている。

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