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〈坂本美雨さんの子育て日記〉30・すっぽんぽん! 生命の爆発

  (2019年5月17日付 東京新聞朝刊)

坂本美雨さんの子育て日記

写真

エメラルドグリーンの海で、娘の生命の輝きを感じた

エメラルドグリーンの海、娘より先に盛り上がる母

 3月に、雑誌の親子ロケで石垣島を訪れた。娘と友達として仲良くしてくれる、気の合うスタッフさんたちとの旅。水着を新調し向かった、娘にとっての初めての南の島の海。娘は奔放でオープンな性格、その半面、慎重で怖がりなところもあるので、海に入るのは嫌がるかもと思っていたのだけど、その予想はあっけなく覆されたのでした。


<前回はこちら>29・芽吹きの力…あっという間に入園


 晴れ渡った朝、まだ誰もいないホテル敷地内のビーチに下りていく。透き通る青空とエメラルドグリーンの海が広がり、思わず歓声をあげる。乳白色の砂浜に大きなサンゴのかけらがごろごろと混ざっているのを見つけ、娘より先にテンションが上がってしまう。

えっ!ちょっと!突然脱ぎ捨てた水着

 足を海に浸し、娘においでよと手招きすると、少し尻込みしながら手をつないでゆっくり入ってくる。波に足を取られそうになり、やはりビクビクしている。南の島とはいえ3月上旬。まだ海は冷たかった。これは、あんまり無理させないほうがいいかな…と思った直後、娘が突然、着てきた水着を脱ぎ捨てた。えっ! ちょっと! と言う間もなくすっぽんぽん。そして腰のあたりまで海に入っていき、「あそこの看板まで行きたい!」と遠くに見える浮きを指して私の手を引っ張っていこうとするのだった。

 広い海に触れて急に野性に戻ったすっぽんぽんの小さな体は、本当に美しかった。今、写真を見返すと、その背中はとてもたくましく見える。海に向かって両手を広げる後ろ姿を思い返すだけで、なぜか涙がにじむ。

娘の輝き、全力で守っていきたい

 彼女の中にこんなところがあるのを知らなかった。一番奥にある、彼女の生き物としての「魂」に初めて触れた気がした。彼女の中で生命が爆発していた。私は、彼女のこの輝きを全力で守っていきたいと思った。私の手が離れても、社会に出ることで薄れていったとしても、彼女がこのままで、奥底にあるこの光を消さずに生きていけるように。

 さて、連載30回目を迎えました。子どもを見つめることを通して自分の内面と向き合う機会をいただいており、ありがたく感じます。自分の背中を押して本音を書いた時、すごくわかるよと言っていただけることがあり、救われる思いです。「東京すくすく」ではバックナンバーを載せてくださっているので、お時間のある時にぜひのぞいていただけたらうれしいです。(ミュージシャン)