〈中倉彰子さんの子育て日記〉17・挑戦する勇気

(2013年6月21日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

中倉彰子さんの子育て日記

指せない人も楽しめる将棋 みんなハッピー!

 私が所属する日本女子プロ将棋協会(LPSA)の恒例イベント「みんなハッピー! LPSA将棋パーク」が5月末に開かれました。駒をどれだけ高く積み上げられるかを競争したり、扇子や駒に好きな絵や文字を書いたりと、将棋を指せない人も楽しめるようなコーナーがたくさんあります。長女のマイと次女のマキも参加しました。

 会場で、ご婦人たちから「あら~、新聞読んでるわよ~」と声を掛けられる2人。この日記のおかげで、子どもたちもすっかり有名に(笑)。

 今年はゲストに元プロ野球選手の古田敦也さんをお迎えし、トークショーや、私の妹(プロ棋士の中倉宏美さん)との席上対局がありました。古田さんの素晴らしい将棋の腕前は、インターネットでも中継されました。

 私は入門コーナーを担当。マイは、私が女性や親子連れに初歩から将棋を教える様子を横で見ていました。「指してみる?」と聞くと、尻込みしていましたが、しばらくして、自分から「指す!」と言い出しました。

負けを怖がらないで

 次の日の朝食の時、私が「昨日はなんで急に指してみる気になったの?」と聞くと、「見ていて、勝てそうかなと思って」とマイ。えっ? 思いもよらない返事。

 将棋を初めて覚えた子どもを前に、勝てそうかな、はないでしょう。そういえば、以前はネットで対局するのが大好きだったのに、最近は指さなくなっていた。そうか、負けるのが怖いのね。

 「それじゃあ強くならないよ! 負けを怖がってちゃダメだよ」「怖がってないもん!」と、言い合いに…。

 後で冷静になって考えると、負けを怖がるのも、勝てそうな相手と指したくなるのも自然なこと。私自身も強い相手との対局では、逃げ出したくなる時があります。マイは素直に話しただけなのに、ちょっと言い過ぎたかなと反省しました。

 古田さんはトークショーで、「もし失敗してしまっても、やってみて分かることも多い。一番よくないのは、何もしないことだと思いますね」と話していました。

 子どもたちに、「たとえ負けても、挑戦していく勇気」を持たせるためにも、まずは自分自身がしっかりと実行していかなくては!(プロ棋士)

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