〈田中健さんの子育て日記〉37・英語の必要性

(2018年9月14日付 東京新聞朝刊)

田中健さんの子育て日記

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ロンドンの大英博物館で、夏休みの自由研究の材料を探す娘

 僕が小学生の頃、英語の授業なんてありませんでした。ネットの普及もあり、海外の映像作品も多く見られて、年々英語が身近になっているように感じます。「ハリウッドのオーディションを受けてみませんか?」と言われて尻込みをしている自分は、きっと時代遅れなのでしょう。

 福岡の田舎育ちで、今でも標準語を上手に話せないことは、強いコンプレックスです。娘がコンプレックスを持たずに語学を習得できるのかどうか不安に思っています。

ハリポタを英語音声で

 英語の先生や話せる友人たちに上達法を尋ねると、一番多いのは「なるべく海外に出て交流すること、話すこと、聞くこと」というアドバイスです。なるほど、皆、さまざまな機会を通じて子に旅の経験を積ませています。長期・短期の留学、費用もさまざまで、補助の出る負担の少ないプランもあるようです。

 娘は小学5年生。学校の授業などで英語に触れています。最近は、何回も日本語で見たことのある大好きなハリー・ポッターの映画を字幕付きの英語音声で見ることもあります。

 まだ、単身留学へ参加の勇気は親子ともにありませんが、今年は、僕の芸能活動のための自己研さんの旅を学校の夏休み期間に合わせました。ロンドンでは舞台を鑑賞。僕が携わっている映画音楽の参考にするために「サウンド・オブ・ミュージック」のルーツをオーストリアに訪ねる旅にも同行しました。

僕よりも通じてる…

 旅の初めの目標は、海外のエアラインに乗り、乗務員の方とのやりとりを英語で試みること。娘は、食事や飲み物を頼む際に、その都度、簡単なフレーズを家内に教わりました。僕よりも相手に通じていたようです。

 旅で出会ったオーストリア人、エジプト人、フランス人。さまざまな国・職業の皆さんが、母国語以外に流ちょうに英語を話す様子に、娘は「英語の必要性」を強く感じたことでしょう。

 家内は最初のうち小さい声で挨拶をしていた娘に、「海外に出たら、あなたは『日本の子ども』の代表。挨拶が下手だったり、マナーや言葉が汚いと『日本の子どもはダメだなぁ』と思われてしまうから、日本にいる時以上に気を配ろう」と説明していました。娘は緊張しながらも、英語での挨拶だけは欠かさずににこやかにしていました。

 娘の成長にだんだんと後れを取りそうな僕ですが、負けずに学び続けたいと思います。(俳優・ケーナ奏者)

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