川口いじめ、元生徒が市を提訴 「何を隠そうとしているのか」文書開示求める
森雅貴 (2019年1月31日付 東京新聞朝刊)
埼玉県川口市の市立中学校でいじめに遭った元男子生徒(16)が、自分のいじめに関する文書を市教育委員会が情報開示請求で不開示とするなどの対応は違法だとして、市に不開示決定の取り消しなどを求める訴訟をさいたま地裁に起こしたことが、元生徒側への取材で分かった。提訴は18日付。
市教委が開示しなかった文書多数「いじめ防止法に反する」
訴状などによると、元生徒は2015年の中学入学後、所属するサッカー部でいじめに遭った。16年9月には自傷行為をして不登校になった。
元生徒が18年1月に市の条例に基づき、いじめに関する全記録の開示を請求したところ、市教委は、元生徒の手紙など54枚を開示した。
開示された資料が少ないと感じた元生徒は同年11月、県教委に対し、市教委から提出された文書の開示を請求。今月、市教委が開示したものとは別の文書103枚が開示され、市教委が文書の一部を開示していなかったことが判明した。別の文書の中には、市教委が設けた第三者委員会の会議録の一部もあった。
元生徒側は市教委の対応について、いじめに関する調査結果など必要な情報を被害者の児童・生徒と保護者へ適切に提出することを定めたいじめ防止対策推進法に反するとしている。
加えて元生徒側は訴状で、市教委が開示した文書の中に事実関係に誤りがあるとして訂正を求めたところ、いったんは訂正決定がされたにもかかわらず、その後に取り消され、不訂正決定がされたと主張。市教委は抽象的な理由しか示していないとして、不訂正決定は違法だとしている。
川口市教委は「訴状が届いておらず、コメントできない」としている。不開示の理由については「当時は第三者委の調査中で、委員会に関する文書は公開できないと元生徒側には伝えていた」とした。
元生徒の母親は「県から再三、法律や条例に基づいた対応をするように指導が繰り返されているにもかかわらず、不開示や虚偽記載をし、何を隠そうとしているのか」と話した。
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