外国籍、障害、多世代…いろんな人が集う場に 荒川区に「みんなのお家」 小中高生の食事・学習も支援
中村真暁 (2019年5月10日付 東京新聞朝刊)
外国籍や障害のある親子や、青少年など、さまざまな世代の多様な人が集まる「みんなのお家(うち)ilona(いろーな)」が先月、東京都荒川区町屋にオープンした。親子サロンと小中高校生の居場所を運営する2団体の活動拠点となり、地域の人々が交流し合う。
外国人親子に保活から粗大ごみの出し方まで指導
いろーなは、木造2階建ての一軒家。町屋4丁目の「16番7号」の番地にちなみ、「いろんな人たちが集う場に」の願いを込めて名付けられた。乳幼児の親子向け子育て交流サロン「ilonaおやこの縁側」が1階、小中高校生の食事や学習を支援する「子ども村:中高生ホッとステーション」が2階で活動している。
サロン運営団体「iroToriDori(いろとりどり)」代表の白井美典さん(38)は月2回ほど、フィリピンやインドネシア、中国など、さまざまな国籍の親子が交流する「多言語パーク」を区内で開いてきた。相談を受けるケースも多く、内容は保育所への入所方法や粗大ゴミの出し方、就職活動の仕方などさまざまだ。
脱水症状になっても誰にも相談できず我慢していた妊婦もおり、白井さんは母親たちの孤立を実感。「信頼関係を築くことで初めて必要な助けが分かり、行政とは違うセーフティーネットになれる」と考え、2年ほど前から、いつでも相談に乗れる拠点を設ける構想を温めてきた。
「多文化、多世代、多様性認める社会を発信したい」
今年に入り、新しい活動拠点を探していた区内で子どもたちを支援する「子ども村」と、現在の物件を共同で使うことに。広く地域の母親たちを応援するサロンを目指しており、発達に障害などがある親子のコミュニティーも運営するメンバーの氏家景子さん(40)は「多文化、多世代、多様性がキーワード。互いに認め合える社会を発信したい」と意気込む。
両団体はいろーな隣の畑を活用し、地域の人も巻き込んだ合同イベントも計画する。子ども村代表の大村みさ子さんは「子ども村の子どもたち自身も学び、癒やされ、生かされる。多様な世代の多様な人が混ざり合い、必要とし合うことが、次につながる」と、交流の活発化に期待する。
「ilonaおやこの縁側」=電話03(3800)2693=は、主に幼稚園などに入る前の0~3歳の親子が対象。平日午前9時15分~午後2時15分。「子ども村:中高生ホッとステーション」は木曜午後5時~9時、第3土曜午後2時~6時のほか、不定期の学習会などもある。
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