「流山市教委がいじめ対応で法令違反」 調査会の前会長が異例の批判 重傷でも重大事態認定を渋り放置

( 2019年10月22日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 千葉県流山市の市立小中学校で元男子生徒が遭ったいじめに対し、流山市教育委員会の不適切な対応が続いているとして、5月まで第三者でつくる市いじめ対策調査会会長だった藤川大祐・千葉大教育学部教授が21日、文部科学省で記者会見した。ひどいけがを負っても重大事態と認めず、認定後も放置するなど法令違反があると指摘した。

小6の時に暴力、いじめ… 自殺未遂、長期の不登校に

 藤川さんは会見で「神戸市や埼玉県川口市などでも教委の不適切な対応が続出している。法令を守らない教委が一定数あることを前提に法や制度を考える必要がある」と訴えた。

 藤川さんによると、元男子生徒は小学6年だった2014年、ほかの児童からの暴力でひどいけがをしたが、流山市教委は重大事態と認定しなかった。中学進学後もクラスや部活で暴力や仲間外れにされるなどのいじめに遭い、自殺未遂もし、長期の不登校になった。

 市教委は2017年4月、中学でのいじめを重大事態と認めたが、調査会に調査を依頼しなかった。藤川さんは8月の会議で、保護者から市教委と調査会宛てに7月に届いた手紙を見せられ、市教委が4カ月も放置したことを知った。いじめ防止対策推進法は、身体への重大な被害や30日以上の不登校があれば重大事態として速やかに調査するよう求めている。

全委員が抗議の退任 被害生徒は今も引きこもり気味

 調査会は同年9月から調査を始めたが、被害者側と関係がこじれた市教委の担当者が連絡を続け、調査が妨げられたと主張。今年5月、職責を果たせないとして全委員7人が再任を拒否して退任した。

 藤川さんが会長の間、調査会は2回、中間報告書を市教委に提出し、再発防止策も盛り込み、早期の対応を求めた。退任後、市教委は最終報告が出るまで対応しない方針だと知り、記者会見で訴えることにした。

 藤川さんによると、元男子生徒は今も家からあまり出られない状態。保護者はコメントを寄せ「子どもは深刻な人間不信にある。子どもたちのために働くはずの教育委員会が、法令を守らず、子どもを裏切り、苦しめている実態があることを知ってほしい」と訴えた。

 流山市教委は取材に「最終報告が出るまでコメントできない」と答えた。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年10月22日

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