動く卒業アルバムが登場 コロナ拡大で伝えきれなかった思いを映像で 葛飾・青戸小で準備

子どもたちへのメッセージを収録する渡辺浩校長
1分半の校長メッセージ カメラにぶつけた
臨時休校中の区立青戸小で17日、渡辺浩校長(58)がカメラの前で切り出した。「卒業生のみんなと過ごした6年間とても楽しかったです。学んだことをいかして世のため人のために頑張れ!」。1分30秒にあふれる思いを込めた。
卒業アルバムは、3月25日にあった卒業式の写真も載せるため製作中で、6月に子どもたちの手に渡る。見た目は一般的なアルバムだが、スマホのカメラを通して見ると、画面上で写真が動きだし、音声も流れる「動く卒アル」になっている。
先生の顔写真にスマホをかざすとメッセージ
活用した技術はAR(拡張現実)と呼ばれ、スマホゲームや地図アプリなどに広く取り入れられているが、卒業アルバムに使われるのは珍しい。地元のコンサルティング会社エムズが「卒ARu(アル)」と名付けてサービスを開発し、今回が導入第一弾。武田政揮社長(30)は「突然断たれてしまった関係を埋めるお手伝いをしたかった」と提案した理由を明かす。

「動く卒業アルバム」の仕組みを説明する武田政揮さん。写真にスマホをかざすと画面上に動画が流れる=いずれも東京都葛飾区の青戸小学校で
校長先生に加え、担任の顔写真からもメッセージが再生されるようにする。また、アルバムの表紙にスマホをかざすと、校歌に乗せて校内の風景をまとめた動画が流れるようにする。運動会のリレーや合唱の様子も候補に挙がっている。
最も大切な3月一緒に過ごせなかったけれど…
昨年度の6年生は教諭や保護者を招く謝恩会を3月中に準備していたが、政府が全国一斉休校を要請したことを受け、臨時休校に入る直前の2月28日に「やりたい」と提案。6年間を振り返る寸劇や合唱を未完成ながら発表し、急きょ集まった教諭らに感謝を伝えた。
渡辺校長は「小学校生活で最も大切な6年生の3月を、一緒に過ごせなかったのが今も心残り。何とか気持ちを伝えられて良かった」と涙を浮かべながら話した。
なるほど!
グッときた
もやもや...
もっと
知りたい