医学部男女の合格率、8割で男子が高かった 東京医科大問題で文科省調査 

原尚子、原田遼 (2018年9月5日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

 女子受験生などの点数を一律に低くして合格を抑制していた東京医科大(東京都新宿区)の不正入試問題を受けて文部科学省が行った調査で、全国80の国公私立大医学部医学科のうち約8割で男子の合格率が女子を上回っていたことが分かった。東京医科大より男子の合格率の高い大学も13校あった。得点操作など不正を行っていたとの回答はなかったが、男性優位の実態が明らかになった。 

男子11.25%、女子9.55% 

 全81大学から回答があり、文科省が速報値として発表した。最終報告は10月中にまとめる。

 2013~18年度の過去6年間の全受験者のうちの全合格者の割合を男女別に計算し合格率を出したところ、男子の合格率は11.25%、女子は9.55%で、女子を1とすると男子は1.18倍。不正のあった東京医科大は1.29倍で、それより高かった大学が私立7校、国公立6校の計13校あった。

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 募集が女子のみの東京女子医科大を除くと、男子の合格率が女子より高かったのは、80校のうち63校で、78.8%を占めた。いずれの年度も男子の合格率が高い大学の方が多く、本年度は71.3%に当たる57校で男子の合格率が女子を上回った。

弘前大「公正な入試なら女子の方が成績が良い」

 最も高かったのは順天堂大の1.67倍。同大広報担当者は取材に「最終的な調査結果を待ってコメントする」と回答した。0.75倍と最も低かった弘前大は「公正な入試をすれば女子の方が成績がよく正直な結果」とコメントし、「成績表の名前、性別、受験番号を全て隠して選抜している」と説明した。

 文科省は「全体として男子の合格率が高い傾向があった」としたが、理由については「今後、数字をもとに、個別に訪問調査などで入試の中身についても聞き、分析したい」とした。

 調査は同省の管轄外である防衛医科大を除く全81大学に対し8月10日から24日までアンケート方式で行われ、入試に関する学内規則とマニュアルの有無、過去六年間の男女・年齢別の受験者数や合格者数などを質問した。特定の受験者や性別、年齢、属性によって事前の説明なく加点を行ったことがあるかについても尋ねた。

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大学が教育ではなく経営しか考えていない証拠

 ◇NPO法人医療ガバナンス研究所の上(かみ)昌広理事長の話  8割の大学で男子合格率が女子を上回った結果で、国公立も含め大学が自分たちの意に沿うような選抜をしてきたことが歴然と分かる。大学が教育ではなく経営しか考えていない証拠。安く長時間働かせられる男性研修医が必要で、出産や育児で離れてしまう女性は経営効率上要らないということ。現状は面接でどうにでもできてしまうため、質問や選抜方法を公表させるなど透明性の確保が必要だ。

不正がないなら、なぜ男子の合格率が高いのか?

 ◇医学部受験予備校「プロメディカス」の武林輝代表の話 不正をしたか問われて正直に答える大学があるのか疑問。不正を行ったという回答がないなら、なぜ男子の合格率が高い状態が続いているのか、納得できる説明がほしい。調査では、一般入試と、地域枠や指定校などさまざまな条件で行われる推薦入試の結果を一緒に計算しているため、推薦で女子が多く合格した場合に一般入試で男子有利に操作されても数字が相殺され、女子の不利な扱いの実態が埋もれてしまう可能性がある。

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